「そういや、今年はないのか?プレゼント」
「あ、あげたよ!」
さっきのがファーストキスだったのを忘れるくらい、あれから何度もキスをした。夢見心地の私の頬をスルリと撫でるローの手が優しい。
「は?いつ」
「今!誕生日プレゼントは私です!…なんちゃって」
「…クク、そうか。毎年あれだけリサーチしてくるくせに今年は大人しいなと思っていたが」
そうきたか。
「だめだった…?」
含みのある言い方に急に心配になってきた。 さっきのキスにも意味はないと言われてしまったら、私はどうしたらいいんだろう。
「そんな顔をするな」
「だ、だって…」
「名前がおれを振り向かせようと奮闘していたのには気づいていた」
慰めるように唇が瞼に落とされる。
「え、うそ、何も反応なかったけど…?!」
「回りくどいんだよ。直接的に来ないから返事もできやしねェ」
「う、け…けど、それならローからきてくれたっていいじゃん…!」
「まあ別にそうしてもよかったんだが、必死なお前が可愛くてつい」
そうにやにやと目の前で笑う男に顔がかあっと熱くなった。 かわいいって、かわいいって…!
「は、初めて言われた…っ」
「あ?いや泣くなよ…」
「う、うれしい…!!」
「…泣き虫」
これから嫌と言うほど言ってやるよ。
耳元でそう呟かれ、ちゅ、とリップ音が鼓膜を揺らす。そういえば肝心なことを伝えていなかった。
「ぐす、ロー、好き。好き…」
「…ああ、おれも」
「きょ、今日から私が彼女ってことでいい…?」
「むしろお前以外を考えたことがないけどな」
「…は、」
急に落とされた爆弾発言に固まった私を見て、さらに笑みを深める彼がゆっくりと覆い被さってきた。
「覚悟するんだな。遠回りした分を取り戻さなきゃならねェ」
遠回りしたのはローのせいでもあるのでは?と思ったが、唇が塞がれたことによりそれが言葉になることはなかった。
実はちゃっかり例の写真はナミへと送られていて、次の日洗いざらい吐くまで離してもらえなかったのは言うまでもない。
Happy birthday to Trafalgar Law
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