おかしなほどに魅かれてく

「名無しちゃん、好きだよ」

『はいはい、ありがとう』


ここ数日前からうっとうしいのにつきまとわれている
折原臨也とかいう人だったと思う、たしか
名前も性格に覚えていないぐらい私の中では存在感がない人間が
なんでこうも言い寄ってくるのだろう


「名無しちゃん、いちごミルクいる?」

『いちごミルク?くれるの?』

「うん、はいどうぞ」

『ホントにいいの?』

「うん、名無しちゃんの為に買ったんだからさ」

『ありがと、折原くん』


そういっていちごミルクに口をつけると
彼はなぜか顔を真っ赤にして俯いていた


『どうしたの?』

「名無しちゃん...俺の名前覚えてたんだね」

『え?』

「嬉しいよ!名無しちゃん大好き!愛してる!」


急に抱きつかれいちごミルクが溢れそうになる
いつもなら、ここで振り払って「邪魔」と言っていたんだろう
でも、今はそんな気にはなれず、彼の背中に手を回してしまう自分がいた

どんどん魅かれていく

(ちゃんと好きって言えるのは)(たぶんもう少し先)

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