おかしなほどに魅かれてく
「名無しちゃん、好きだよ」
『はいはい、ありがとう』
ここ数日前からうっとうしいのにつきまとわれている
折原臨也とかいう人だったと思う、たしか
名前も性格に覚えていないぐらい私の中では存在感がない人間が
なんでこうも言い寄ってくるのだろう
「名無しちゃん、いちごミルクいる?」
『いちごミルク?くれるの?』
「うん、はいどうぞ」
『ホントにいいの?』
「うん、名無しちゃんの為に買ったんだからさ」
『ありがと、折原くん』
そういっていちごミルクに口をつけると
彼はなぜか顔を真っ赤にして俯いていた
『どうしたの?』
「名無しちゃん...俺の名前覚えてたんだね」
『え?』
「嬉しいよ!名無しちゃん大好き!愛してる!」
急に抱きつかれいちごミルクが溢れそうになる
いつもなら、ここで振り払って「邪魔」と言っていたんだろう
でも、今はそんな気にはなれず、彼の背中に手を回してしまう自分がいた
どんどん魅かれていく(ちゃんと好きって言えるのは)(たぶんもう少し先)[ 17/18 ][*prev] [next#]
[mokuji]
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