チューニングを合わせて

それはある晴れた日の事でした

私は愛用のギターを持って

公園へ行きました

最近はテスト習慣も終わり

こんな感じに公園で演奏するのが好き

沢山の人に私の音を聴いてもらえる

それだけが幸せ



「ふぅ.......」


演奏も終わり帰ろうとしたら


『ねえ、もう終わり?』

「え、あ、はい」

『そっか...残念だな』

「....................」

『僕ね、ここにたまに来てキミの演奏を聴いてるんだよ』

「え!?」

『キミってすごく歌もギターも上手だよね』


どうしよう

こんなに露骨に褒められた事がない

どう反応していいのかわからない


『ありがとうございます......』


おずおずと答えることしかできなかった...


「ねえ、ちょっと来て」

『え?.....きゃあ!』


彼は私の手を引っ張ってどこかへ行っている

でも怖いとは思わない

なんか安心できる


「ここでさ、僕のためだけに弾いてよ」

『へ?』

「ほら、早く」


人気の少ない空き地のような所に連れてこられた

一人のために演奏するって...恥ずかしい


でも有無を言わせない彼のまなざしに

仕方なく演奏を始めた

自分でも驚くくらい奇麗な音が出た

音と自分の歌が混ざってる感じ



「............すごいね」

『え?』

「こんなに間近で聴いた事がなかったから....」

『あ、ありがとうございます....』

「キミの演奏、また聴きたいな...ダメ?」

『い、いえ、その..貴方さえよろしければ』

「うん、じゃあ決まりだ、僕は周助って言うんだ」

『あ、私は名無しと言います』

「名無しだね、よろしく」

『よろしくお願いします......』

「あと僕は名無しのファン一号ね」

『え!?』

「ずっと応援させてね」


音楽ってやっぱりいいな

(人と人を繋げちゃう)(そんな魔法のような気がする)

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