あなたに聴かせたい

腕に自身がある訳ではない

でも聴いてほしかった

何か悩んでる風のあなたに


「どうしたの?」

『あ、鳳くん』

「音楽室なんかに呼び出して.....もしかして.....」

『鳳くん、ピアノ聴いてくれない?』


無表情でうつむいてる彼をよそに私はピアノの椅子に座る

手が震える

それでも弾きたいと思ったのだ


演奏を始める........






「.......名無し........いつの間に....」

『え?』

「いつの間にこんなに上手になったの?」

『そ、そうかな..?』

「うん、すごく上手だった」


彼の心に届いたかはわからない

でも聴いてくれた、それだけで.....


「....ありがとう名無し........」

『鳳くん.....?』

「なんか...俺......嬉しかった」

『.......................』

「嬉しいよ、なんだか」


もしかしたら伝わったのかな

(おかえり)(私の大好きな笑顔)

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