旦那は三人  H.26/11/16


(珍沖・厭魅銀沖)なんと今さら2014銀誕。前に書いた珍沖のただの焼き直しです。




「旦那は三人」







「今日は俺の誕生日だから沖田君セックスしようよ」

それが、消えてしまった旦那の最後の言葉だった。


五年前、毎日のように旦那は俺にそう声をかけてナンパしていたものだから、あの日が本当に誕生日だったのかどうか疑わしいけれど、とにかくいつもどおり俺は完無視してそっぽ向いていたから旦那がどんな顔をしていたのかは知らない。
もう自分のからだをどうやって動かすのか忘れかけていたのだろうからうまく笑顔も作れなかったのかもしれないけれど、とにかく旦那はそんな身体を無理に引きずってどこかへ消えた。

何も知らない俺は、旦那の誘いに乗らなかったことを後悔しながら五年の時を過ごした。








「ちょうどふた月前に、俺が宿で寝ていたら何の気配も感じねえのにすっと障子が開いたんです」

俺は男の腿の上に跨って腰を下ろした。
良く解されて香油を塗られていたから、少し角度を探しただけで屹立したものがぬめりと俺の中に入ってくる。
「うっう・・」
少し寄せた眉根に男の指が触れた。振り払うように顔をそむけると、指だけは旦那に似て白く繊細なのがゆっくりと降りて行って俺の尻をいやらしく撫でまわして掴む。

「んぅ」
体勢の為に、容赦なく男の武器がまっすぐ刺さって突きあたった。
「おおっと、届いた届いた」
「んぁ・・・ううっ」
「前立腺マッサージやってもらったことある?あれすごいよねえ。ホンットうわああって声出しながら俺イッちゃうよいつも。沖田くんなんてそれいつも経験できるんだからさあ、いいよね」
「ン・・・だまっ・・・て、くだせえ」
「俺サービスのお姉さんだよねまるで。沖田君お金払ってくれるならハッスルしちゃう」
男が腰を揺らせたので、先端が二度三度敏感な器官の裏側を突いて、ほんとうに声が漏れる。
最近この男と懇ろになって、土方さんに言わせれば「一体何の慈善事業だ」となるのだが、そう言われても仕方ないくらいこの人は不細工で、こんなのとだけは口付けなんざできねえなと最初思ったのに今ではそれどころじゃないところまでくっついている。

俺はたぶん旦那のことをすきだったとおもう。でもつまらねえ意地を張って旦那にも誰にも身体を触れさせたことはなかった。だけど何故かこの不細工な珍宝の旦那にはたった二日で落ちてしまった。
なんでか旦那に悪いなどと思う事も無くて、むしろあの時あげられなかった俺を旦那にくれてやれたようで俺はうれしかった。この人のどこかわけのわからないところが旦那とつながっているような気がする。
人類であるかどうかもわからないほどのキノコ男なのに、ただ旦那と同じ着物を着て万事屋のがきどもとつるんでいるだけで旦那が帰って来たような気になってしまった。
でもそれはきっと錯覚じゃない。他の誰が同じことをしたってこうはいかねえだろう。バラバラになった眼鏡とチャイナがまた一緒になるなんてことはありえなかった。珍宝の旦那だからこそ纏まったのだと思う。
それほど珍宝の旦那ともとの旦那は何故かしら重なって見えた。



「お客さァん、気持ちいいですかあ?」
なんてふざけながら俺を揺さぶって、その度にすすり泣くような声を我慢できずに乱れる。
「んっ・・・んぁ・・・だん、な・・・」
「誰を、呼んでるの」

決まってる。

俺が呼ぶのはいつだってあのダルそうな目で俺を見た、あの旦那だ。

「珍・・・の・・・旦那・・・でさっ・・・」
「うおおおおっ、ハッスルハッスル!!!!」
旦那の腰が割れちまうんじゃねえのってくらいどっかのアトラクション並みに揺さぶられて、俺は頭が真っ白になる。この五年で出来上がった俺の馬のしっぽをぎゅうとつかんで強く引かれて仰け反った。
「ああ・・・沖田くんの・・・白い喉がっ・・・そそる、よっ」
「う・・・ふ・・・っ・・」
固いマグマのような楔が俺を貫く。
俺の内腿が旦那の腰に吸い付いて、バウンドの度にお互いの汗でズルズルと音がした。

「旦那っ・・・だん・・・な・・・っ・・ああううあっ・・・ぁあはっ・・」
俺は旦那を呼びたいのに、言葉にならない。
楔が最奥を突き上げるたびに俺自身に電流が走ってコントロールできない。俺のものは、空気を送られている風船のようにひと突きごとに大きくなった。

「んあっ、や・・・やっ・・・」

旦那の動きが変わる。
まるで、中華鍋の中身を返すようにリズムをつけて腰をえぐりこむ。内壁の摩擦に遅れてやってくる最奥の刺激に、俺は成す術もなく乱れた。
「やあ・・いやっ」
旦那の肩にしがみついて、崩れ落ちるのを必死に防ぐ。トコロテンだってこの間言われたから、どうにか自分で慰めて達したいけれど、もうどうにもできなかった。
勝手に流れる涙と共に俺が達して、そのあと旦那も俺の収縮によって射精を開始した。
薄い、ゴムの中に。

旦那はゆっくりとした動きで放出の名残を惜しむ。
朦朧とした視界の中で、キノコの化け物が近づいてきて、俺の唇をタラコが塞いだ。
「んう・・・ちゅ・・」

ねっとりとしたタラコが離れる。
「沖田くんは、なんでも我慢して泣いたりしないんだから、セックスで涙を流せばいいんだよね」

「ん、ちゅ・・ちゅ・・」
旦那の言葉なんか聞こえなかった。
俺はただ口付けをしたくて、よく解らない旦那の言葉を封じ続けた。







さらさらと旦那がおれの髪を指で梳く。

俺はぴったりと旦那の首にしがみついたまま、古いけれど清潔な布団に転がっていた。
「・・・沖田くんてこんなに甘えん坊だったんだねえ」
まるで以前から俺を知っているかのような物言い。旦那のぬくもりを感じながら、俺は掠れた声で答えた。
「もとの旦那のかわりでさあ」
「いやこれまたはっきり言うねえ」
「旦那よりアンタの方が男前ってこたァありえやせんから」
「顔だけじゃないでしょ男は」
「ていうよりアンタ旦那じゃねえもん。俺は旦那のことが」
「ん?なに?旦那がなに!!???」
鼻息荒く珍の旦那が食いついてきたから俺は黙った。
「ちょっと!いいとこでやめないでよ」
「いいとこってなんですかぃ、俺ァアンタの話してんじゃねえです。もとの旦那のことです」
「銀さんと俺、似てるでしょう」
「似てやすね、服とか」
「それ旦那じゃないよね、服だよね」
「おやすみなさい」
「寝ないよ〜、答えてよー」

「似てやす」
「え」
「声が」

くん、と髪がひっぱられた。

「いてえ」

「ねえ、沖田くん」
後頭部の髪の根元を抑えながら恨めし気に旦那を見ると、どう見てもギャグにしか見えない顔の造りで、旦那は真面目な目をしていた。
「沖田くんはさ、すきなひといたんでしょう。でも俺と最初にセックスしたときお初だったんだよね?俺なんかにはじめてくれていいの」

珍の旦那は、もとの旦那をあきらめるのかって、そう言っているように見えた。

「・・じつははじめてじゃねえんです」
「エッ」
「さっき言いかけたの思い出しやした」
「なに」
「ふた月まえの話」
「なんだっけ」
「俺が宿で寝てたら障子が開いたって言ったでしょう」
「言ってたっけ、なにそれホラー?珍さん聞かないよ」
「いちいち旦那の真似してんですかぃアンタ・・。まァいいです、とにかく旦那が消えて5年も経とうとした頃に、いきなり訪問者がやってきたんです。気配を感じられねえ俺じゃねえんですけど、そんときは金縛りにあったみてえに動けなかった。そいでズルズルと黒い影みてえなそいつが俺の枕元までやってきた」
「あ〜〜〜〜っあ〜〜〜っ!!聞かないよ!聞かないからね!!」
「おっかねえ話じゃねえんです。そいつはなんだかうさんくせえマントにでっかい笠かぶってやしてね、そいつをはずしたら頭のてっぺんからぐるぐると変なまじないみてえなのが書かれた包帯を巻いていやがるんです」
「わかんないイメージできないなにそれ」
「俺はなぜだかやっぱり動けなくて。でもおっかねえんじゃねえんです、そいつはずっと何にも言わねえんですけど、よくわからねえけどそいつがじっとそこにいるのを見てるだけで情けねえことに鼻の奥がツンとしてきちまったんです」
「・・・」
「そしたら、そいつもアンタと同じように・・。俺の髪を掬って、一言「伸びたな」って言ったんです」
「知ってる奴だった?」
「声は・・・ひそひそ話みてえな息だけの音だったからわかんねえですけど、俺はほんとうはそいつが部屋に入って来たときからわかってやした。あれは旦那でした」
「なんでわかるの」
「アンタと同じです」
「え」
「・・・アンタは旦那とは似ても似つかねえけれど、それでも九割九分が旦那です。俺の知らない間に旦那がきっと整形手術でも受けたんじゃねえのってくらい」
「整形って不細工にしてどうするのよ」
「男前上がってますぜ」
「え、銀さんこれよりひどかったの?どっちかっつーとイケメンだと思ってたのに、銀さんこれよりひどかったの!?てゆうかさっきと言ってること矛盾してない!?」
「まあそんなわけで、いくら包帯でグルグルにしたってあれは旦那でした。旦那は俺を・・・こう、おさえつけて、それから俺の着物を全部脱がせました。それから」
俺はあの時のことを思い出して、喉がぐぐっとつまったみてえになった。
あの時、俺は旦那を待って待って待って待ってもう耐えられねえくらい寂しくて、待ってるだけのつもりなんかじゃなかったけれどどこを探したっていなくて、俺になんにも言わねえでいなくなってしまったってことは、旦那にとって俺はその程度の存在だったんだという事実に押しつぶされそうになっていた。だからこうやって旦那が俺のところへ来てくれたってだけで、もう嬉しくて仕方なかった。旦那がなんでこんな恰好なのか、なんでいなくなったのか、そんなことは一気にどうでも良くなって、世界がただ俺と旦那だけになってしまえばいいと思った。


「それから旦那は・・・ほんとうに小さな声で、「なんで一人なんだ」って言いやした。「土方は一体何をしているんだ」って。俺ァ・・・こころの中のことなんて何一つ言えなかった。ほんとうは旦那のことがすきだったのに何もないまま捨てられてしまったから。土方の野郎に俺を押し付けてアンタは満足かもしれねえが俺ァあんな奴の世話になんてなりゃしねえってそう言いたかったけど、俺の唇はちっとも動いてくれなくて、勝手に目から涙がぼろぼろ零れてくるんです。旦那はそれを見て、荒々しく俺を抱いた。俺は・・・もうしんどくて苦しくて、熱に浮かされたみたいになって途中旦那の顔を引っ掻いちまいやした。そうしたら包帯が緩んで。夜目は利く方だけれどあんまり暗かったもんですから良くは見えなかった。でもやっぱり中から旦那が出てきて、死んだ坂田の目っていうかもう網で焼いたみてえな変な模様が顔にできてて・・でもそんなことどうでも良くてそいで・・・旦那は何かに逆らっているような苦しそうな表情をしていやした」

俺のとりとめのない説明を珍の旦那は文句を言うでもなく、俺の髪をずっと優しく撫でながら聞いている。どれだけ恰好つけたってでかいキノコには変わりねえからぜんぜんキマらねえんだけど、それでも俺ァこの人の醸す安心感にふわふわと居心地良くしがみついていた。
何度も俺の手から旦那はするりと逃げてしまったから、この人だけは手放したくなかった。

「「俺は、死神だ」って、旦那はそう言いやした。意味はわからなかったけれど、真っ暗闇の中で旦那は確かにそう言った」
俺は、ゆっくりと目を閉じて、あの夜のことを思い出した。



『俺は、誰の事も巻き込まずに俺自身だけを共に連れて死の世界へ行かなければならない。
だけれども、お前は、お前だけは道連れにしたい。
俺が。
世界中のだれを犠牲にしたって、本当はおまえだけはたすけてやらなければいけないのに、俺はお前と寄り添っていたい。
他のだれも死んでほしくないのに、おまえだけは俺のせいで俺と共に死んでくれたなら、俺は震えるほどうれしいんだ。』

「そういって俺を抱いて、それでもきっとあの人ァ、俺の身体が強くて病気だって逃げて行くってわかっていたから来たんです。それが証拠に俺はあの人と密着したって病気なんかうつらなかった。
闇の中で事が終わって、俺が眩暈みてえのになってあたまが沸騰している間に旦那はどこかへ行ってしまった。俺ァはじめてだったんだから追いかけられねえのもしかたねえです。
旦那は、俺を道連れにしたいってそう言ったのに、また・・・俺を置いて行ったんです」

「そんなに寂しがり屋さんなのに、なんで真選組抜けて一人になったのよ」
旦那みてえなしゃべり方で、珍の旦那が俺の目を覗きこんだ。
「抜けたんじゃねえです。真選組は勝手に解体した。そうしたら俺ァ、近藤さんについてきただけですから、ひとりになるんでさあ」
「俺はきっと、土方がお前を守ってくれると思ったから任せたんだろうよ」
土方の野郎、だなどと小さく呟いたキノコはしかし気づいていないみたいだった。
「俺?俺ってなんですかい」
「エッ、珍さん俺なんて言った?」
「言いやした」
「俺は・・・・そう思うって言いたかったのよ」
「はあ、でも俺ァべつに一人が寂しいってわけでもねえんで」
「そうかなあ?」
「でも・・・そう思うんなら・・・アンタ、だけは・・・どこにも、いかねえで・・・くだせえ」
「行くよ」
「・・・」
「俺はきっとどこかへ行く。沖田くんのところへは沖田くんに似合いの銀さんが帰って来るよ」
冷たい言葉なのに、裏腹に重ねられた珍の旦那の手はものすごく暖かくて。ずっと我慢していた涙がぼろぼろと零れた。

「あんなの・・・・帰ってこねえで・・・いいんです」

俺は、もう声なんかどうやって出していたのか忘れてしまったくらいで、喉から出て来たのは小さな弱々しい仔猫みてえな泣き声だった。
「俺は旦那が消えてから、なんでもいいから旦那の事を調べて故郷にでも帰ったのかと人に尋ねまわっていやした。旦那がどこからきてどこへ行ったのか答えられるやつなんかいなかったけど、足のサイズから歯ブラシのブランドまで仕様もない情報だけは入って来たから当然生まれ月も解りました。
本当の誕生日に俺をナンパしたことがあったかどうかなんて覚えてねえけれど、夏の暑い盛りにコナかけてきたことはあった。つまり旦那は俺に本当のことなんて言わなかったってことで、そんなわけで消えちまう前に俺になどどこへ行くとも言うわけねえんです」
途中から自分でも何を言っているのかわかんなくなったけど、とにかくこの人にだけは側にいてほしくて必死だった。

「今だけ強く抱きしめてやるから、だから良い子で待ってるんだ」

俺は、俺の事を捨てると誠実に宣言しているこの人の手が、俺から離れてどこかへ行ってしまわないように、必死になってしがみついていた。








夏が終わって、珍の旦那は消えてしまった。
俺のところには、もとの旦那が帰って来たけれど、あのキノコお化けはもう二度と還ってくることはないのだ。

旦那は俺と再会してから気味悪いくれえ優しいんだけど、それでも俺は珍の旦那が懐かしくて仕方なかった。
何故なら珍の旦那は、俺が一番つらい時に俺を抱いていてくれたからだ。
姉上が亡くなった時これ以上つらいことなんて無いと思ったけれど、俺はどうやら自覚していた以上に旦那に依存していたらしく、旦那がいなくなった途端に俺の世界は止まってしまった。
あの時俺には珍の旦那しかいなかった。一人でなんとか立っていた俺をトンと片手で倒して、立っていなくていいんだよと言ったのはあの人だった。

俺は結局、また旦那を失くした。
もとの旦那はいるけれど、俺の心の中にはきちんと珍の旦那の席もあって、そこがぽっかりと空いているのだ。
珍の旦那はただの仮の姿だから、帰りを待つようなモンでもない。だけれども俺の中で旦那はもとの旦那と珍の旦那、それからあの哀しいひとりぼっちの旦那の三人になってしまって、それぞれの手を離したくなかった。なんだか俺が尻軽になったみてえでこれは旦那どもに文句を言いたい。



「旦那ァ、アンタのリクエストの生クリームに唐辛子タップリ入れて持ってきやしたぜえ」
万事屋のボロい玄関を勝手に開ける。
旦那があんまりうるさく言うので10月10日は生クリーム持参でやってきた。プレイに使うだとかなんだか鬱陶しいことを言っていたのだが会えなかった時期が無駄に愛を育ててしまったのでしかたなく用意したのだ。

一応無断で入るのでゆっくり靴を脱いで上がり框に足を乗せると、奥から旦那の声が聞こえた。
「沖田くんっ、唐辛子入れちゃったら珍さん舐められないでしょーが」
なにか違和感を感じて応接間に足を向けると、ソファーの背の上から銀色のわたあめがはみ出している。
けれど、何か違う。
いつもの旦那よりもわたあめがずっとずっと大きい。
まさか、と心臓が跳ね上がってそれもかまわずあわててソファーの前に回り込むと、そこに俺のだいすきなエリンギがいた。

「ちん・・・・こ・・・」
「エッ、再会の言葉がそれ?」
「間違えやした・・・珍の、旦那」
「うん、俺だよ、胸に飛び込んでいらっしゃいよ」
「一体、どうして」
「いやー、今日さあ、だるいなーとおもってゴロゴロしてたんだけどね、ふいに思い立ってハナクソをね、こうほじってたやつをぺとっておでこにつけたのよ、そしたらね」
「まさかそこまでデタラメだったんですかい旦那の身体は」
「ふざけんじゃないですよコノヤロー、学習能力よ!銀さんの学習能力よコレ」
「珍さんでしょう」
「ハイおいで!珍さんの腕の中においで!珍さん誕生日だからっっ!ンセッッックスしようよ!!」

このふざけた男の思い通りになるのは癪だったけれど、もう俺は大きなエリンギにむしゃぶりつきたくて仕方なかった。
よろよろ歩いて、目の前の大キノコがぼんやりぼやけた時、
「泣かないで、沖田くん」
なんて、本当に気持ち悪いキザな顔して珍の旦那が両手を大きく広げた。




俺が珍の旦那の腕の中で目覚めて、それからひとつ思い出した。
俺ァ旦那のすべてがすきなのに、あの人を慰めてやることはついぞできなかった。
だから、「旦那と珍の旦那だけしか会えねえのはさみしいです。もう一人の旦那・・・厭魅の旦那がかわいそうなんで、こんど旦那のからだに厭魅のウィルスを植え付けて下せえ」と言ったら、多分本気だろうという勢いで脳天を殴られた。




(了)むりやりハッピーバースデー銀さん
























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