「我儘なカンパネルラ(6)」 H.23/03/06 |
(銀沖・土←沖)また話動いてません。 本当は最初から分かっていた。 土方さんはとても優しくて、公平で寛大な人だった。 そんなの、初めて会った時から知っていた。 なのに、俺は全然素直じゃなかったんだ。 1日のうちで土方さんと一緒にいられるのは飯時くらい。俺は土方さんと銀時の会話を、興味無いふりして聞き耳をたてる。 その会話を聞いていてもわかる。 彼は誠実で男らしい。 でもそれを俺に向けてくれる事は絶対にない。 だって、俺が誠実とは程遠い態度をしてきたんだから。 でも、ずっと土方さんがそのままでいてくれればそれだけでいい。 「もう出るの?兄貴」 「ああ、銀時はゆっくりしろ」 「いや、俺も一緒に出るわ、今日所属変わるし初日だから早めに行っとく」 「そうか、ちゃんとやれているのか」 「ああ、大分見えてきたよ、リゾートの分野は決して悪くないんだ、施設管理が問題だな」 仕事の話になったら絶対入って行けないし(他の話も入れてくんないけど)意味もわかんない。 二人が出て行った玄関に 「ぃってらっしゃい・・・」 とポツンと呟く。 今日も土方さんの顔を見れた。土方さんと飯を食えた。 さあ皿を洗って俺も学校だ。 「沖田さん!」 部活に行くと山崎が嬉しそうに声をかけてきた。 初心者の1年はまだ立ち会いとかできないんで、大体の奴は素振りをしていた。 山崎は一応経験者なので、多少は立ち会いをさせてもらえる。 ま、一応ね。 「月末の合宿費、来週集めますよ。沖田さん昨日休んだから聞いてないと思って」 聞いてねーよ。 「合宿・・・・」 先月インターハイの予選が行われた。俺が入部するちょっと前だ。 うちの部は個人も団体も大惨敗。 ま、スター選手もいないわけだし仕方ないよな〜〜。 んなわけで、夏休みに入ってすぐ半分遊びみたいな合宿やって、8月のインターハイを観戦する、と。そういう計画らしい。 どうせならインターハイ後の方がやる気出るんじゃねえのかなあ。。。。 まあいいや、・・・っと。金かあ。 「いくら?」 「色々で3万円です」 「3万かあ〜〜〜」 「ないんですか?」 山崎が心配そうな目を向ける。大金持ちの家に引き取られたって聞いたのに、無いなんて言ったらそりゃ心配だわな。 「あるぜぇい」 なんでもないように答えて道場に入る。 俺は今月8日に16歳の誕生日を迎えていた。 「セェンパーイ、相手してくだせえ〜〜〜」 「お前なっ、仮にも新入部員の1年ボーズだろーがよ!いっくら強いからってな・・・」 「いーからいーから、いっちょ揉んでやりますぜ〜」 カラッカラの晴天の下、7月の道場にぱしーんと俺の面の音が響いた。 ああ、3万円かあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。 高杉でもカツアゲすっかな。 『そーごくーん、今日はさ、お外で待ち合わせしようよ』 いきなり銀時から電話がかかってきた。 なんのつもりだ・・・。 銀時は家以外で正体を現すことなんて今までなかった。 怖い。次になにを仕掛けてくるかわかんなくて、本当に銀時は怖い。 っつったって断るわけにもいかねえから、俺は銀時との待ち合わせ場所に向かった。 指定の場所はビジネスホテルみたいな簡素な作りの建物だった。 フロントのお兄さんは俺を訝しげに見ていたけど、しらねーよ。学生服なのにホテルに呼び出す銀時が悪い。まあラブホじゃなくて良かったよ。 言われたとおりの部屋に行ってノックをする。 「待ってたよ」 重い扉が開いて、銀時が顔を出した。 カシャァ。 無機質だがいやにはっきりしたシャッター音が響く。 シャッターも切って無いのに何故かその音がする不思議な物体、携帯電話で俺の痴態を銀時が撮影したのだ。 俺は真っ裸で後ろ手に縛られた状態。ゆるゆると銀時に扱かれて勃起していた。 「ほら」 見たくもねえのに画面を見せつけられる。 そこには、俺の顔、目の下からしか映っていない写真。 「誰だかわかんないでしょ?」 や、知らねえ奴にはわかんねえかもしんねえけど・・・。ま・・わかんねえだろうけど。なにそれどーすんの。 銀時はニヤニヤしながら何か操作している。 「俺、総悟のこと大好きでさ〜〜、愛しちゃってんのよ。だから総悟のこと皆に自慢したいのよ」 ウヒヒと笑ってまた画面をこっちに向ける。 銀時は俺の写真をエロサイトに投稿していた。 こいつは、俺を抱いたりする時に、よく「かわいい」、「好きだ」、「愛してる」なんて言うけどいつも言葉と行動が一致しねえ。 好きな奴の裸の写真、不特定多数が見れるサイトに投稿なんてするだろうか。 とはいえ、あれほど嫌だった銀時とのキスも、セックスも、最近はあまり何も感じなくなっていた。 ノーマルなものに関しては、だけど。 吐きそうなくらい嫌だったのに、どうかしたら普通に快感を楽しんでいる自分もいた。 あんなにも嫌だったのに・・・いつのまにか、それが、悦びに・・・・・。 そんな自分こそが、嫌悪すべき対象だった。 コンコンコン、と性急なノックの音がする。 固まる俺。 銀時は意に介さない表情で、 「おーう、来たね」 そう言って立ち上がる。 ・・・なんだ・・・? ドアに近付く銀時。 なにかボソボソと相手を確認した後、ドアノブに手を伸ばしているのが見えた。 や・・・ちょっとまって・・・! 俺、裸・・・で・・股間はこの状態だし!!! 待って・・ちょっと・・・! 拘束された状態で尻でいざってシーツに潜り込もうとする。 しかし、無情にもドアが開き、そこにいた人物に俺は驚愕した。 伊東鴨太郎。 ひじかたさんの・・・弁護士・・・・。 ど・・・どういうことだよ!!! この事態に対処できなくって、俺は銀時の顔を見た。 「やー、さすがにこの状況だと兄貴に見つかったら言い訳できないからね〜」 この状況? 「めっちゃくちゃ仲悪いんだよな〜?うちの兄貴とこの人。だからうっかり見られちゃったりしたらこれはヤバいだろ」 焦ってる俺なんてどこ吹く風って感じで近づいてくる銀時。 そのうしろに、あのいけすかないヤロー。 じろじろと上から下まで俺を眺めて。畜生・・・その薄ら笑いやめろってーんだ。 「フン、さすがの淫乱だな」 カッとするけど、この状況じゃそれこそ言い訳できない。 「なんだよ・・・お前・・・なんで・・・」 「口のきき方に気をつけるんだな」 ぎゅ、と俺の立ち上がったモノを握る。 「ウアッ!」 こ・・いつ・・。 「お前なんてどこの馬の骨ともわからないただのガキなんだよ」 口調は穏やかだが、言ってることは最低だ。 「クッ・・・クッ・・・ク・・あの男が大切にしている君を」 滅茶苦茶にしてやる。 そう言って伊東の唇が降りてきた。 あの男?大切?・・まさか、土方さんのことじゃあねえだろうな。 それなら大間違いだぜぃ。 いくら縛られてて身動きとれねえからって、こんな野郎に自由にされる言われはなかった。 両足をばたつかせてクソヤローを蹴り飛ばそうと必死に暴れる。 「躾が悪いね」 薄らと笑うと、俺の中心を今度は強く握りしめる。 「イイッ・・・・・ア!!」 ぎ・・・・ 「銀時・・・!!銀時!!やめて!やめさせて!!」 思わず俺は銀時を呼んだ。 なんでこんなこと許してんでぃ!お前、俺の事好きっていつも言ってるじゃねえか!! 「あらら総悟ちゃんかーわいい、大丈夫、なーんも心配ねーからな」 にっこり笑う銀時。 嫌だ・・・嫌だ。 こいつ・・・こいつは、ただ土方さんへの当てつけで俺をヤっちまおうとしているだけだろう。 銀時は・・・死ぬほど嫌だけどこいつはまだ俺への執着を感じる。ねじくれ曲がってはいるけどな。 こんなのは絶対嫌だ。 この数カ月、銀時に無理矢理とはいえ抱かれ続けたこの身体は、銀時しか知らねえ。 高杉と身体を合わせたことはあったけど、あんなんイレギュラーだ。 俺は、銀時しか知らねえんだ。 いつの間にか、こいつと繋がるのが当たり前になっていた。 嫌だ・・・・心はお前にはないけど、だからと言って、そんな、他の奴と平気で寝たりできるわけねえんだ!! なんで・・・笑ってられるんだよ。 あまりの悔しさに目尻から涙がつ・・・と流れた。 冷たい表情の伊東。冷たい手。 「かわいそうに・・・・」 俺の涙を拭うと、伊東はゆっくりと俺に覆いかぶさってきた。 「う・・・う・・・・」 ギシギシとベッドが揺れる。 俺は後ろ手で縛られたまま、後ろから伊東に突っ込まれていた。 もちろん手が付けないから、顔はベッドに押し付ける形で尻だけ伊東が持ち上げている状態だ。 「ん・・・・」 伊東が腰の動きを速める。 こいつは、衣服の1枚も脱いでいなかった。 ただの、性欲処理。 ふと横を見ると、銀時がゆるゆると自分のモノを扱いていた。 俺は、伊東に揺さぶられながら、この最悪の状況とは別の事を考えていた。 銀時と伊東。嫌な組み合わせ。 なんで、こいつら・・・・どうして繋がっていやがるんだ? なんだかわけのわからない不安が、俺の胸をじわじわと広がっていた。 ぐったりとして、家に帰った。 足が重い。 足だけじゃなくて、身体も。 身体・・・だけじゃなくて・・・・・・。 バタン。 玄関の扉を閉めて一息つく。 顔を上げて、一瞬身体が凍った。 リビングに通じる廊下に、土方さんが、いた。 部活の後にあの二人に呼び出されていたから今は夜の8時過ぎ。 でも、まさかこの時間に土方さんがいると思わねえから、油断してた。 何があっても油断しねえって決めたのに。今日はショックで気が抜けていた。 「遅いお帰りだな」 土方さんから話しかけてくれることなんてめったにない。 俺が遊びまわっていると思っているんだろうけど、そんな内容でもうれしい。 憔悴した姿を見られた。 この失態を取り返さねえと。 俺はなるべく元気に見えるようにつかつかと土方さんに歩み寄った。 「ひじかたさーん」 なんでもねえように。 なんでもねえように。。 「俺さ〜、部活で合宿行くんでさ〜、んなもんでちっとばかし金がいるんでさ。3万程」 生意気に土方さんを見上げてやる。 急に良い子になったりしたら土方さんが変に思うもんな。 土方さんは、トンと俺の胸を押して、俺を壁際に追い詰めた。 俺の鼻先までそのかっこいい顔を近付けて口角を上げる。 「お前、金のことしか言わねえのな」 身体を離してスーツの内ポケットから財布を取り出すと万札を引き出した。 土方さんはそれをぎゅっ・・・と手の中に握り込んで万札をぐしゃぐしゃにして、目の前で床に投げつけると、後はもう俺のことなんて興味が無くなったみたいに、踵を返してリビングに消えていった。 この、俺の生を。すべて土方さんに捧げようと思ったのはついこの間。 だけど、早くも俺の精神は限界を迎えようとしていた。 「ザキ〜〜〜〜、おーいザキィ、ちょっと話あんだけどお」 「あ、沖田さん、おはようございます」 「ちょっと顔かせよ、身体ごと貸せよ、屋上に」 「いや、今から一限目はじまるんですけど!ちょ、ちょ・・・沖田さん!!」 俺は、昨日一晩中考えた。 俺にとって一番大切なのは土方さん。 土方さんに俺と銀時のことを知られるのが一番困る。 でも、俺はそろそろ限界だ。自分で分かる。 絶対弱みは見せないって決めたのに結構人間って弱いもんだな〜。 んなわけで、誰か・・・誰か信用出来る奴に俺の事を話してしまおうって考えた。 これって・・・すげえ怖いことだけど。 恥ずかしいし情けねえし、そもそも土方さんにバレちまう可能性が生まれるってことだから。 だけど、俺はもう、誰かに吐き出してしまわねえと、爆発してしまいそうだった。 問題は誰に話すか、だ。 自慢じゃねえが俺は友達が少ねぇ。高杉か山崎くらいしか思いつかねえ。 高杉・・・も頭をよぎったけど、あいつは結構破壊的な所があるからな。激昂してうちに怒鳴り込んできたりしちゃ目も当てられねえ。 その点山崎は冷静で思慮深い。俺が、誰にも言わねえでくれって頼んだらその通りにしてくれるだろう。 屋上のカギは、前に失敬してコピーを作ってあった。サボり用に。 がっちゃんと鍵をかけて。 山崎と向かい合って座った。 「ど、、どうしたんですか、沖田さん」 山崎の心配そうな顔。 俺は・・・・・最初から。最初からすべて、山崎に話した。 「沖田さん・・・・・」 俺が話している間、山崎は途中から相槌も打てなくなっていた。 あたりまえだろう。俺だって信じられねえよ、こんな話。 俺は、山崎が少し落ち着くのを待って、手首を見せた。 「沖田さん!!これは・・・」 もう夏服の季節だ。腕を隠す袖も無い。銀時はそれを分かっていて、俺を縛りつけるにしても跡がつくようなことはしない。だが、やはりあれほど暴れたんだから、うっすらとその痕跡が残っていた。 「俺の事、軽蔑するかィ」 やっぱり怖かった。 俺と同じ16歳。そういうことには潔癖な奴かもしれねえ。 「・・・・・・・」 「ザキ・・・・」 長い沈黙の後、山崎の細い目から、涙が流れ落ちた。 「沖田さん・・・俺・・・俺・・・・」 肩を震わせて。唇をかみしめて・・・。 下を向いてぼたぼたと涙を屋上の床に落とす山崎。 「ザキ・・・・」 ああ、お前って、俺がガッコやめるって言った時も泣いてくれたよな。 良い奴だよな、お前。 ぐすぐすと、しばらく鼻を鳴らして。 ゆっくりと顔を上げた山崎の目は真っ赤だった。 「あんまりです・・・あんまり沖田さんが・・・・」 かわいそう・・・って言いたかったんだろう、その言葉をぐっと呑みこんで山崎は続けた。 「俺・・・俺、黙っているのが沖田さんの為だとも土方さんの為だとも思いません」 「ザキ・・」 「でも、でもそれが沖田さんの望みだっていうなら・・・俺は・・・俺は・・・・」 俺も、ぶわっと涙が溢れた。 「ごめんな・・・ごめんな、ザキ・・・俺・・一人で、一人でいるの、すっげえ、、疲れ・・・ちゃって・・・」 「沖田さん!!!」 俺のしんどい荷物、心に詰め込んで誰にも言えなくて苦しかった重り、半分お前に渡しちまった。 ごめんな・・・山崎。 それから、山崎と二人で色々話をした。 俺だけじゃないって。銀時の本当の姿を知っているのは俺だけじゃないって。 そう思ったらちょっと落ち着いた。 いつでもこれから、倒れそうになった時に山崎がいる。 そう思うだけで。気持ちがホント楽になった。 「ありがとな、ザキぃ」 俺たちはじりじりと日差しの照りつける屋上で、まるでウサギの子供みたいに身を寄せ合ってチャイムが鳴るのを待っていた。 その夜、土方さんは比較的早く家に帰ってきた。 まだ21時。 飯食うかなって思ってリビングに降りていったけど、俺をチラリとも見ないで自室に引っ込んだ。 すぐ後から帰ってきた銀時が 「兄貴、夏風邪みたいだぜぇ」 って言ってた。 本当に仕事が忙しくって、全然休みもとれねえし、俺が気苦労ばっか掛けるから疲れてたんだろうな・・・。 大丈夫かな・・・土方さん。 おかゆとか作ろうかな。。。 キッチンにふらりと足を向けると、背後から冷たい視線。 ビクリと振り返ると銀時が身体の片側を壁にもたれかからせてこっちをみていた。 底冷えするような冷たい目で。 「兄貴の看病してあげるんだぁ、総悟くんは。・・・・優しいねえ」 ごくりと唾を飲み込んだ。 「し・・・ねえよ・・・・」 それは本当だ。 看病なんかしたら・・・してえけど、土方さんはそれこそ気分が悪くなるだろうし、俺がそんなことするなんて、変に思うだろィ。 今までどおり、生意気で手がつけられねえクソガキ演じてんだからよ。 でも・・・・つい、マジでお粥作りそうになってた自分にびっくりだ。 「おいでよ、総悟」 ここんとこ仕事が忙しくて夜は俺にかまわなかった銀時だけど、今日は4日ぶりくらいにお呼びがかかった。 俺の部屋で、俺のベッドで。 銀時は、俺の枕を仰向けにした俺の肩甲骨のあたりに差し込んだ。 俺のぺたんこの胸がぐっと反りかえる。 「あれ〜、総悟おっぱい突き出していやらしいね」 銀時は、俺の顔の横に両腕をついて俺を見下ろしている。部屋の明かりで逆光になって暗い笑みを浮かべている。 「言ってよ、総悟のおっぱいさわってお兄ちゃん、って」 今日はなんだか銀時の顔がすごく怖かった。いつもと、違う。 「言え!!!」 ぎりりと片方の乳首を強く捻られる。 「やああっ!!」 瞬間、慣らされた感覚と痛みが俺の身体を走り抜ける。 「優しく触ってほしかったら・・・言えよ・・ホラ」 「うう・・う・・さわって・・・・さわって・・・」 「ちゃんと言って、お兄ちゃんだろ?」 「うっ・・く・・そ・・・ごの・・・おっぱい・・さわって・・おにいちゃ・・ん」 狂気じみた炎を宿らせていた銀時の瞳がふっと柔らかくなって。 銀時は、俺の乳首をぱくんと咥えた。 「んんっ・・・はう・・・」 挿入からこっち銀時は俺を焦らすようにゆるゆると腰を動かしていた。 さっき優しくなった瞳はもうあのおかしな色を湛えていて。 「総悟・・・・お前・・・兄貴のことばっかりだな」 静かに、いつも緩やかにカーブを描いている口元が、今日は不機嫌に引き結ばれている。 「兄貴がそんなに好きかよ・・・・あの野郎のことが・・・」 ふいに銀時が腰のスピードを速めた。 「んっ・・・んあっ・・・」 「畜生!この野郎!!貞淑ぶりやがってこの売女がよ!」 「あっ・・・アアっ・・痛い・・いた・・・」 「好きだって言えよ!俺の事・・愛してるって・・・言えよ!!!!!」 滅茶苦茶に突き上げる銀時。 俺の内壁は乱暴な抜き差しに悲鳴を上げていた。 最奥のある一箇所を、銀時の先端が掠めた時、俺はもういつものとおり意識が飛んでしまって。 言われたとおりに叫び続けていた。 「やっ・・やあん・・・は・・ぎんっとき・・すき・・・すき!!!!」 「愛してるって言え」 「あい・・あ・・あ・・あいし・・てる・・うっ・はああん!!」 階下で、土方さんが熱に苦しんでいる。それなのに俺はこうやって動物みたいに銀時と繋がって嬌声を上げていた。 深夜。 銀時が自分の部屋に戻ってから。 そうっとリビングに降りてきた。 息を殺して書斎を抜けて、土方さんの部屋を窺う。 物音がしない。どうやら寝ているようだった。 かちゃりとドアを開けて。忍び足でベッドに近寄る。 暗闇の中、目が慣れてそこにいる人物を見つめると、土方さんが汗だくでうなされていた。 汗・・・拭かないと・・・・。 でも。 俺は・・・誓ったんだ。 ほんの少しでも土方さんが俺のことを心配したり今までの態度を疑ったりしないように、1つの間違いも起こさないって・・・。 もしも・・・朦朧としながらも土方さんの意識があったら。 土方さんの額に手を延ばしたいのを堪えて、 「ザマァミロ・・・・」 俺はそう呟いて部屋を出た。 今日の、今日の銀時にこれを言うのはなんだかすごく怖かった。 だけど、あのまま土方さんを放っておけない。 俺は、銀時の部屋をノックして、返事を待ってから部屋に入った。 「どうしたの?総悟、珍しいね」 銀時は持って帰った仕事を片づけていたみたいだった。 俺は、無言で銀時に近付くと、チェアに座った銀時の足の間にひざまづいて、チャックを降ろした。 下着から銀時のモノを取り出す。 今日は一回もう俺でヌいてるけど・・・・。 銀時はフェラが好きだ。 俺は大っきらいだけど。。多分土方さんのでもヤだ。これだけはホント、苦手。 意を決して銀時のモノに舌を這わせた。 すこし驚いた顔をした銀時。 「ん・・・総悟・・・・なんだ・・・」 かまわず舐め上げる。 銀時に仕込まれて少しは上手くなってると思う。チロチロと先端を舐め、吸い上げる。 指で袋をやわやわと揉みしだき、根元からゆっくりと擦りあげる。 すぐにピクピクと血管が浮いて、角度をつけはじめた銀時。 まるで、おいしい物のように。好物の様に涎を垂らせてしゃぶりつくす。 俺からこんなことしたことなかったからか、銀時の興奮は電光石火で、あっという間に達してしまった。 「チッ・・・ヤベ・・・」 銀時の出したものをちゅ・・と吸いとって綺麗に舐め上げる。 それから、元通りに下着を直して、チャックを引き上げて。 唇についた銀時の精を手でぐっとこすってから顔を上げた。 銀時は、何か俺が考えてのことだってわかってたみたいで、真剣な目をしていた。 「銀時・・・・おねがい・・でさ」 「・・・・・」 「おねがい・・しま・・す」 銀時の、見たことも無いような悲しそうな顔。 俺は・・・何か悪い事をしたのだろうか。 「銀時」 「わかってるさ」 一言、そう言うと、俺の頭にポンと手を乗せて、チェストからタオルを数枚取り出すと、銀時は部屋を出て行った。 階段を下りて、そうしてキッチンで何かやっている音が聞こえた。多分冷蔵庫から氷を出しているんだろう。 俺は、その音がすべて止んで、書斎のドアが閉まる音がするまで、じっとその場を動けなかった。 我儘なカンパネルラ(6) (了) |