寄る辺なき人形 H.24/12/03


(土→←←←沖)人形シリーズ。幸せが見えなくなってしまった沖田さんです。






まるで憑き物が落ちたようだとは屯所の隊士たちの言葉。

土方さんが舐めるように可愛がっていた「ぬい」という太夫あがりの女が病で亡くなってから土方さんは元のように戻った。
あの女を囲っていた頃だとてなにを取り上げて変わったわけではなかったが、真選組鬼の副長と呼ばれた人が仕事よりも女を優先するとまではいかなくとも心の内では間違いなくそうなっていた。
女の為に己の命を大切にした。

無謀な討入りをどうかしたら好んでいた土方さんだが、副長という立場からか元々なにごとも周到に準備する気質も併せ持っていた。
だけど、女に惚れこんでからは一方の綿密な土方さんだけが残って、一度たががはずれると手のつけられなくなる土方さんは消えてしまった。
他人はもちろん自分でも気づかないうちに常識人になってしまっていたのだ。

気づかれ難いとは言っても、やはり寝食を共にする隊士どもの中では微妙な変化を見分ける奴もちらほらと出てくる。
副長も大切な人ができて盤石な男になったものだと感心する者もいれば、つまらない男になってほしくないと惜しむ輩もいた。

俺はと言えば。

俺は、まったく元通りで、何事もなかったような顔をして屯所にいた。

俺が療養という名目で押し込められていた病院から、近藤さんが連れ出してくれた。
世間がなんかやかやとうるさかった間はお前を出してやることができなくて悪いと思っていたとも言ってくれた。
俺は厄介払いをされていた訳では無かったが、病院を出て土方さんの顔を見るのも恐ろしくて仕方なかった。


病院にいた間、あの真っ白い壁の病室で俺は朝から晩まで土方さんのことを考えていた。
毎日毎日俺の夢には土方さんが出てきて、起きたら山崎しかいなくて、それでも俺はあの人に焦がれ続けた。
夢の中の土方さんは優しくて、やっぱりあの女なんかより俺の事が好きだと言って俺を抱きしめた。

俺は朝起きてひとりぼっちなのに気付くと、なんで朝なんてものがやってくるんだろうといつも思って、夢の中の土方さんがほんものだったらいいのになんてベタなことを考えて、それから屯所にいる土方さんが生きて息をしているのが嫌でたまらなかった。
夢の土方さんがいれば十分なのに俺の事を恨んでいる土方さんがまだこの世にいるなんて考えられねえ。あっちは余計だ、あれはいらない。屯所の土方さんがいなくなれば、俺の事をすきでたまらない土方さんだけが残る。

それでいい。それでいいのに、俺にまったく興味のない土方さんがこの世に存在していることが邪魔で仕方なくて俺はいつもほんものの土方さんが死んでくれればいいのにと願うようになっていた。

だから俺が許されて屯所に戻ると決まったとき土方さんに会うのが嫌だなあと思って、山崎に「土方さん死んでくれねえかなァ」と言ったら、まったくいつもどおりの言葉ですねなんてしれっとかわされた。
ああたしかにそんな事ばかり言っていたなと思って、じゃあいつもどおりしていればいいやと決めた。

そうしたら土方さんも全く前と同じけろっとした顔をして俺と対峙した。
別に悪びれる様子もなく俺を恨むでもなくそして無理をしてそうしているわけでもないようで、後で聞いたのだが俺が帰ったのは女がいなくなり一人身になってしばらくした頃だったらしい。
女が悪くなってから、周りの人間は土方さんを大いに心配したそうで、愈々女が鬼籍に入った時にどれだけ悲しんで気落ちするかと思っていたのだが、案外すっきりとした顔で「あいつも長く臥せっていたからな、楽になれただろう」と一言答えたという。
それから最低限だけ喪に服して、昔の颯爽とした土方さんに戻った。
俺はでも女に執着していようとバラガキの土方さんに戻ろうとどうでも良かった。いっそ前みてえに恥ずかしげもなく女を大事にしている土方さんのほうが、夢の中の土方さんと対照的すぎて俺にとってわかりやすかった。

こんなことになる前の俺と土方さんの関係とはかならずなにかが違っているはずなのに、そんなわけで俺たちの間にはまったくもって以前よりももっともっといつもどおりの空気が流れるようになっていた。
俺がちょっとちょっかいを出して土方さんが怒鳴り散らして。
そんな「あたりまえ」までもが戻ってきて、それが不自然じゃなかった。
なんでだろう。
こんなにも俺は苦しいのに、なんでこんなあたりまえがなんの引き攣れもなく演じられるのか不思議だった。
あるいは演技じゃなくて、いつのまにか俺にとって土方さんはもう何の愛情も持てない人間になってしまったのだろうか、なんてことを思ったり、やはり隣にいるだけで土方さんの煙草の匂いと息を吐く気配に身体が締め付けられるような愛しさを感じたりした。

これが一生続くのかと恐怖したが、俺は夜に会える夢の中の土方さんと逢瀬をするのだから大丈夫だと思えるようになって、しまいにはひょっとして夢だと思っている土方さんがじつはそうじゃなくて、俺が眠りについた頃本物の土方さんがまえみたいに俺の部屋へやって来て俺を愛しているのじゃないかしらなんて馬鹿なことを考えたりするようになった。

そんな馬鹿なと思いながらもそうかもしれねえと思って山崎にそう言ってみたら、「ああ、そうかもしれないですね」とやっぱり無感情に答えられた。
そうだったらおっかねえなと言った俺の言葉に「頭がおかしいんですか」と言われて悔しかったので、山崎をボコっておいた。

そんな風にして毎日はやく布団に入りてえなあって思いながら過ごして、ようやっと夜になって夢に出てくる土方さんと愛し合ったりしていると、段々寝るのが待ちきれなくなり出した。
はやくほんとうの土方さんに会いてェなあなんて思って、ほんとうの土方さんてのはもちろん夢土方なわけなんだけど、とにかくそう思って時計を見たらまだ朝飯の時間だったりして驚いた。
これは自分でもヤベェなって思って仕方ねえから巡回に出てそれでももうなんか耐えられなくなったから屯所に帰って布団を敷いた。
今会いに行きやすぜェなんて映画だかなんだかみてえなセリフを吐きながら目を瞑った途端、すぱんと音がして襖が開いた。
片目を開けると偽物の土方さん。
えーと。偽物じゃなくて本物だ、本物の土方さんだ、多分こっちが。

「てめーは!ぜんっぜん変わらねえな!真昼間から巡回サボって寝腐ってんじゃねえ!」
偽・・・本物はでっかい声で怒鳴り散らして俺の布団を剥ごうとした。

「うーるせえなあ、朝からぜんぜん寝れなかったんですから寝かせてくだせえよ」
「バッキャーロィ、どこの世界に朝から寝る奴がいるよ」
「夜番だったんで」
「てめー昨日は日勤だろうが!いいから起きろ!」
「やです」
「なんだと」
「やでさって言いやした」
アンタが俺に優しくしてくれるわけでもねえのになんで起きねえといけないんだ。俺ァはやく土方さんに会いてえんだから放っておいてくだせえ。

いいから起きろと首根っこ掴まれてずるりと布団から引き出された。
土方さんの手が俺の首に触れている。
その感触が俺は突然どうしようもなく哀しくなってしまって、なんの覚悟もしてなかったもんだから俺の胸の上あたりからなにかが急激にせりあがってきて、わあと泣いてしまった。

「・・・なんだ、どうしたんだ総悟」

総悟なんて呼び方をもうついぞ聞いていなかったので、うれしいのか哀しいのかわかんねえけどもそれにもまた涙袋をぐいぐい押された。

「土方さんが寝かせてくれねえ〜〜〜〜!!うわーん」
俺は枕につっぷして本当に涙が出ているのを必死に隠した。
泣いて縋るなんてどうしたってしたくねえ。
アンタが俺の事を何も気にしていないように、俺だってそうなんだと言いたかった。

あいてえ、会いてえんだ。
夢の中の、俺の事をどうしようもなくすきだって言ってくれる、あの土方さんに。

「チッ。調子悪ィならそう言え馬鹿」
俺のことを勝手に風邪かなんかだと決めつけて、土方さんはようやっと俺を解放した。
山崎に粥を運ばせてやるから今日だけ休めと言って部屋を出て行く。
まったく前と同じ土方さん。
あの女が現れる前とまったくおんなじ。ただ俺が土方さんの愛人じゃねえだけ。

俺と同じに土方さんだって苦しんだはずだ。
あの女が身体を悪くしたのだって、ひょっとしたら元は太夫時代に襲撃されたショックからかもしれないと、そう思っていたっておかしくない。
俺に対してどろどろとした感情を持っていたのは態度で分かった。それなのにあの感情はどこへ捨ててきてしまったのか、今はもう何かをそぎ落としたかのようにすっきりとしている。
俺は、俺だけはまだどろどろの中にいる。
アンタだけがそうやって汚らしい感情から抜け出られるなんてずるい。
俺はこんなにも苦しいのに。

俺は、あれだけ土方さんに嫌われているのを嘆いていたのに、それがなくなってまったく昔どおりの同僚となった今、今度はそれがつらくてのたうちまわっているのだ。






俺が屯所に帰ってふた月ほどした頃、突然土方さんが俺の部屋に来た。

はじめ俺はそれに気づかなくて、いつもみてえに夢の土方さんがやって来てくれたんだと思っていた。
そうしたらなんだかいつもより仏頂面の土方さんが何も言わないで布団に入ってきた。

慈しみに満ちた瞳で俺の事を見る夢土方とは違って、薄闇に溶けてしまいそうな深い色の目をして静かに俺を見下ろしている。

「ひじかたさんどうしたんですかぃ」
沈黙に耐えられなくなって、俺がそう聞くと、土方さんはゆっくりと口を開いた。

「総悟、お前はまだ俺の事が好きか」


俺は目を瞑った。

まったくの闇。

このしっとりとした闇の中で、それでも土方さんの煙草の匂いがする。

夢の中の土方さんは果たして煙草の匂いをさせていたかしら。

俺に愛してる愛してるってあんなに言っていた土方さんは、あれはほんものだったはずなんだけど、どうして今日は違う土方さんがやってくるんだろうか。

「総悟、聞いているか」

俺は目を瞑ったまま両手で耳を押さえた。

「聞け、総悟」
土方さんの熱くて大きな手が、俺の手首を掴む。

「お前は俺の事を恨んでいるかもしれねえ。・・・いや、そうだろう。俺が今までお前にしてきたことを思えばそれがあたりまえだ」
両手が耳から外されて、左右に離れた。

「だが総悟、俺はやはりお前が愛しい。田舎にいた頃から今までずっとずっとひとすじに俺を想ってくれるお前が愛しくなってしまった。俺のことを想うがあまりあんなことをしたお前を最初は憎いと思ったが、それでも健気にずっと俺だけを見ているお前が、かわいくて仕方なくなってしまった」

土方さんの顔は真剣で、昔みてえに一過性のものじゃなくてこれはほんものの心だと言っているようだった。
もう心変わりはしない、ずっとお前だけをみてやるとそう言っているみてえに。

俺は。

俺はかなしくて仕方なかった。

この世から女がすべていなくなってしまえばいいのに。

どれだけ土方さんが俺のことを好きだと言ってくれたって、俺はもうそれが嬉しくなくなってしまった。
いつまた他の奴のところへ行くかと思うと、いっそ俺を嫌いだと言ってくれている方がずっといい。
これより悪くなることなんてねえから。

また繰り返すのか。
また土方さんの心変わりを恐れてびくびくして暮らすあの毎日を、また繰り返すのか。

ひょっとしたらあのぬいという太夫もそうだったのかもしれない。あの女の身の上を聞いて身体の弱さを知って、土方さんは女を愛したのかもしれない。
もともと土方さんは慈愛の人だった。
突っ張ってはいるけれど、どうしたって一番に優しさが出る人だった。
だから、俺をかわいそうに思って愛しただけなのだ。

もっとかわいそうな奴が出てきたらどうしよう。あるいは女じゃなくても土方さんの心が動くかもしれねえ。

俺は田舎のあのしけた落ち合い宿で、毎日土方さんに去られるのを恐れていた。
だから、いっそほんとうに振られてしまった時はほっとしたものだ。
もう二度とふられることはねえ、女を襲わせた俺をこれ以上嫌うことはねえ、もう何も恐れないでいいのだ。土方さんのあの冷たい目もこれ以上ひどくなることはねえって。
もうあんな想いは嫌だ。
二度とあんなねずみみてえに毎日土方さんの心変わりを心配してビクビク過ごすなんて嫌だ。
だから、お願いですから俺にそんなことを言わねえで。これ以上俺を苦しめねえで。


「何故、泣く」
土方さんは、勝手に流れ出した俺の涙を指でぬぐった。

「さわら、ねえで、くだせえ」
俺がそう言うと、土方さんは傷ついたような顔をしてそれから諦めたように身体を離した。
「・・・急には無理か」

急じゃねえ。
俺はいつでも土方さんのことしか考えてねえ。
アンタとまた懇ろになる夢想だってしたけどそれは夢の話だ。
だけど昼間の幸せな想像が夜現実になる。土方さんがやってきて俺に笑いかけて優しくしてお前が一番だって言ってくれる。
こっちの土方さんは俺を一生袖にすることはねえ。
だから、俺はこっちでいい。こっちがいいんだ。

次の日の夜、俺は土方さんが部屋にやってくるのを恐れて隣の間に隠れて様子を窺った。
果たして土方さんはいつもの紬の黒い染絣を着て難しい顔で廊下を歩いてくると、俺の部屋の襖を開けた。
俺が覗き見ていたのは後ろ姿だったから顔はわからねえけれど、数秒その形のまま止まってスッと襖を閉めると自室の方へ歩いて行ってしまった。俺がいないもんで諦めたんだろう。
俺は、ようやっと安心して部屋に戻った。

それから一刻ほど経った。
一人寝では寝つきのあまりよくない土方さんだが、俺が部屋を窺うと軽く寝息を立てている。
俺は、息を止めるようにして気配を殺すとそろそろと土方さんの布団に近づいた。
目指す布団は、胸のあたりが規則的に上下していて土方さんがぐっすり眠っているのと同時に間違いなくこの世に存在して息をしていることを示していた。
布団からぽっかりと出た顔はおもしろくもねえ蝋人形のように無表情で、たまにまぶたがぴくりと動く以外はまったく乱れの無い美しい顔をしていた。
俺は、なるべく音のしねえように更に息をひそめてゆっくりと布団を小さくめくると、掛布団と土方さんの間にするりとすべりこんだ。

仰向けで寝ている土方さんのからだにゆっくりと体重をかけてゆく。
途中、「うう」と眉根を寄せたが、少し苦しそうな顔をしながらも目を覚まさない。
女の途切れたことのない人だから、誰かの重みに慣れているのだろう。

あたたかい身体。
だれよりも愛しい男の身体。
煙草じゃなくて、土方さんそのものの匂い。
俺は大きく息を吸ってその体臭を胸いっぱいに吸い込んだ。俺の肺に土方さんが入り込んでくる。
おもわずぎゅうと抱きしめた。
ああ、土方さん。俺は、アンタのことが・・・・・・。

俺は、自分の胸の合わせから一尺ほどの小刀を取り出して両手で強く握りしめた。
これは俺がまだ餓鬼だったころ、土方さんが家からくすねてきたといってくれたものだ。餓鬼のおまえには脇差にちょうど良いだろうと言って、付き合い始めの浮かれた土方さんの屈託ない笑顔を良く覚えている。
俺は布団の中でできるだけ高くまで小刀を振り上げた。
俺の体重を乗せて心臓に突き刺せば、いちどきで土方さんの命を絶つことができるだろう。

だけれども、いざ刀を振り下ろそうと息を吸った時、真下にいる土方さんの瞳がぱっと開いて、俺の両腕が男らしい手にがしりと掴まれてしまった。

「ンッ・・ひじかた、さん」

「総悟」

「畜生、離せ」
「総悟、お前は」
小刀をあっというまにむしりとられて余所へ放られる。畳の上を滑った小刀が、コンと床の間の框にあたって止まった。
その音が聞こえたとたん、俺の視界はくるりとひっくり返って簡単に土方さんに抑え込まれた。

「それほど俺が憎いか、総悟」
薄闇の中、土方さんの唇が小さくゆっくりと動いた。

「もう二度と、俺たちは元に戻ることができないのか、総悟」
ぐ、と俺の両腕を掴む手に力が入る。

ひぐ、と喉まで何かがせり上がってきた。
またあのどうしようもないどろどろとした哀しみだ。

「・・・んで・・・くだせえ」
「なに」

「死んで・・・くだ、せえ・・・・ひじかた、さん」
「総悟」
「頼むから・・・・おね、、がいですから・・・死んでくだせえよ」

我慢できなかった。
こらえきれない涙がどんどん俺の頬を濡らす。

死んでくだせえ土方さん。
おねがいでさあ。

だって、俺はおっかなくって仕方ねえ。あのくだらねえ夫婦人形の合図みてえにアンタにまた背中を向けられると思うと、さいしょっからそっぽ向いてくれていた方がいいんだ。
だけど、どうしたってそれが無理だってんならいっそ土方さんがこの世にいなければいい。
死んだって俺の物になんてならねえ。そんなことはわかってら。だけど、そうしたら土方さんは他に心変わりすることもねえし、二度と俺の事を捨てるなんてことは無くなるんだから。

だからお願いでさ、土方さん。
死んで・・・死んでくだせえ。
そうして、俺の大事な優しい優しい俺を絶対に裏切らねえ夢の土方さんになって。



ひぐひぐと泣く俺を、土方さんはぎゅっと抱きしめた。
そんなことされたって俺は、胸に五寸釘でも打ち込まれたみてえな苦しみに襲われるだけだ。
やめて土方さん、触らねえで。俺の前に姿を現さねえで。

石みてえに身体を固くした俺に、土方さんはきゅっと眉を寄せた。
それから色々言葉を探しているような顔をして、ようやっと口を開く。

「・・・・ぬいが死んだからじゃない。あいつがいなくなる前に、俺はお前を思い出していた。あいつのこともそれは大切だったが、実はあいつが臥せってから色々と考えることが多くなってな。そうしたらお前のことを俺が最初に手籠めにした時からずっと今までを思い出して、そして俺はお前がまた愛しくなったんだ。だから・・・・」

更に俺を抱きしめる手に力をこめる土方さん。

「だから、あいつが死んだからお前に戻ったわけじゃあねえんだ。俺は、お前だけを愛している」


土方さんから発せられる絶望的な言葉に、俺はただがんじがらめにされてどこにも逃げ場が無いように追い詰められた。

おねがいでさ土方さん。
そんなひどいことを言わねえで、ただ俺の為に死んでくだせえ。

愛してるって言うんなら、俺のたったひとつの願いを、聞いてくだせえ。




(了)



















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