「鉄線よ、我君を愛す(10)-5」 |
「やああっ、、はああ、ゃぁあああああ!!」 総悟の叫び声が狭い水車小屋に響き渡る。 たっぷりと色を含んだ喘ぎ声。 息を吸う暇もなかった。喉の奥から声が出口を求めて唾液と共に溢れてくる。 「クックッ、そんなに大声出すのがお城の作法なのかい?」 「あひっ・・あはぁ・・・!はあっんんんん」 がしがしと乱暴に打ち付けられる腰。歯車に当たる背中が擦り切れ始めていた。 だが、そんなことも気にならない程の快感。 総悟の快楽のツボは、入口から比較的近い腹側にある前立腺のちょうど裏側と、最奥の内壁の天井辺りだった。 その二か所を同時に抉られるような刺激。 その、総悟の良い所を一番よく知っているのは、武蔵国で床を共にした男だった。 うっとりと、揺さぶられながらあの男の顔を思い出す。 閨の中で、総悟が啜り泣きの様な声を漏らすほど弱い所を、似合わぬ繊細さで突いた男。 「うう、、う、ああっ・・・」 思いのほか優しい顔をする時もあった。 「ここがいいのか?」などと真面目な顔をして聞いた。 「・・・さま・・・しんすけ、さま・・・・」 激しい喘ぎの合間に、総悟の口からその男の名が漏れた。 「あはははははは!!!!聞いたかい?こいつはとんでもない淫乱娼婦だ!無理矢理に連れ去られておきながら、敵の大将に奉仕して、その大将の身体が忘れられなくなっているんだ!!そのくせ戻ってからも平気で十四郎様の尻を舐めて、ここでもいい思いをしているんだから、とんだ食わせ者だ!」 けらけらと笑う小十郎の声も耳に入らなかった。 高杉の顔が脳裏から消え、次に十四郎の男らしくしかし照れたような表情が頭に浮かぶ。 『十四郎・・・・さま』 なにも考えられなくなっているにも関わらず、口に出してはいけない名だとわかっているのか。 男が欲望のままに腰を叩きつけて、絶頂に達した。総悟も先程から何度も張りつめた中心を爆発させている。 どくどくと腹に流れる男の精。 「あっ・・・・はあ・・・・はあ・・・ああ・・・」 しかし総悟の逸物は未だびゅくびゅくと震えながら天を向いている。 「さすが銀時の薬だ。苦しいだろう?まだまだ満足していないみたいだから、ここにいる皆に慰めてもらうといい」 至福の笑顔の小十郎。その言葉を合図に、男達が一斉に総悟に飛びかかる。 戒められていた両手は男達の手によって解かれた。 どさりと歯車の下に敷かれた筵に横たわる総悟。 「俺が先だ」 「いいや俺だ、こいつが遅えからもう随分待ったんだ」 銀時の暴行に加え、長時間戒められたことと男による暴力、そして薬の作用で意識も朦朧として、抵抗どころではなかった。 たちまち両手両足を押さえられ、足を広げ持ち上げられる。 最初の男との交わりを見せつけられて、皆の興奮は頂点に達していた。 手のひらに、腕に、脇に、乳に、腹に、尻に、腿に足首に男達が吸いつき、性器を擦りつける。 今や全身が性感帯であった。 「むぐっ・・んん・・・」 吐き気のするほど臭い男のものが口にむりやり捻じ込まれ、身体中の快感に負けて歯を立てては頬を打たれた。 「んああっ、あうっ」 最早、誰のものを受け入れているのかも解らなかった。 嵐のような痛みと性感の中、総悟の脳は奥まで真っ白になってしまって、もう高杉の事も十四郎の顔でさえ思考からすべて消え去ってしまっていた。 |