13◎甘えて欲しい【斎×主】 
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真っ青な空に流れる髪。
顔をしかめながら、隠れてしまいそうになる髪を掻き上げ、寝転がるひなたを覗き込んだ。
「ひなた、休むのならば部屋に戻れ、風邪をひく」
恨めしそうに斎藤を睨むと、目を擦りながら身体を起こした。
洗濯を干し終わり、庭で涼みながらほんの少し横になったところだ。
「こんな所で倒れるぐらいならば何故、俺を頼らぬのだ」
斎藤はこの時代に似つかわしくなく、家庭的で子供らの面倒も良く見ていてくれる。
だからといってそれに頼り過ぎるのも、当たり前だと思う事もひなたには到底出来なかった。
「母上?大事ないですか?」
『ありがと秋吉、大丈夫よ』
柔らかな笑顔を魅せるが、斎藤へは視線をさえも向けずに呟いた。
『自分の仕事ですから…』
ぽつりと呟く短い本音には、斎藤も些か癇に障る。
「俺の助けなど要らぬと申すか」
『いつも助けていただいてます…』
寝起きの悪さは二人とも同じであるが、今回はひなたの分が悪い。
「手分けをすれば時間も短く終わるだろう、少しは休め」
『ちゃんと、出来ます』
斎藤が片付けようとした籠をひなたは引ったくり、立ち上がるとフラフラとベランダに戻る。
「後悔しているのか?」
ひなたは眉を潜めて、少し振り返るが疲れのせいか何も言わずに中へと戻ってしまった。


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