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健康診断以来、ひなたへの隊士達の接し方が変わってきたようだ。
良くも悪くも馴れ馴れしい。
何かにつけて手を握られたり、熱い視線を感じている。
さすがの秋吉もこれには不安を隠せなかった。
「…ひなた、大丈夫か?」
人目を気にしながら、二人で端に固まり小さくなる。
『…うん…。秋吉も気付いた?』
「ああ。」
『…私、…女だってバレたかも』
「……そっち?」
『それしかないでしょう』
「あぁ…。…ま、いいか…」
秋吉の心配は斎藤にも向けられていた。
はっきりとは聞き取れなかったが隊士達の会話に《斎藤》、《衆道》の言葉が耳に入ることも度々ある。
「なぁ、はじめさん大丈夫かな?」
『いや、はじめさんは男だから』
「…だから危ないってゆーか…」
『え゛!?はじめさんってそうなの!?』
「誰のせいだ!誰の!!」
ひなたは切なげに見上げた。
『…秋吉…』
「…俺じゃない、確実に」
だが、斎藤に原因が無いとも言い切れない。
どうも彼はひなたの事となると、余裕がないらしい。
彼女に声を掛けようものなら、どこからともなく殺気が放たれる。
恐る恐る振り返ると斎藤が音も無く佇み、ひなたが笑いかけると拗ねた顔で頬を染める。
忙しい毎日を過ごしすれ違いが多いだろうが、見つめる瞳の熱には気づかぬわけがない。
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