12◎離さない【斎×主】 
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斎藤の髪を掬い、唇をなぞると、躊躇う様に口付けた。
『もう、怒ってない?』
「………まだだ」
もう一度口付けてやると、今度は緩む口元を必死に堪え怒った顔を作る。
「まだ足りぬ…」
ひなたは目を瞬き、斎藤の頬を撫でながら口付けた。
『もう許して…、お願い』
「んー…」
斎藤は悩む仕草をしながらも、片目を開けてはまた目を瞑った。
『はじめさん、好きよ』
「先程は嫌だと申していた」
『もう!しつこいな!じゃあ、嫌い!』
「…え?」
斎藤は目を丸くし、慌ててひなたに向き直り身を乗り出した。
「あ、否、わかった許そう!」
『何で上目線なの』
「ああ、否、すまない!ただ…」
『何よ!』
「何でもない…」
ひなたと斎藤は互いに鼻を鳴らし、顔を逸らした。
けれども斎藤は直ぐに芝生に置かれたひなたの手に、自分の手を重ねた。
「悔しいぐらいに思い知らされた…。俺はお前が好きなんだと」
ひなたは眉尻を上げて、顔を近付け囁いた。
『知ってる』
「…もう一度お前が誰のものか、骨の髄まで叩き込んでやる」
『望むところよ』


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