9★昔の女【斎×主】 
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「ひなた!刀を収めて二人で話そう!」
『……』
「な、何だ?」
『デレデレしてんじゃねー!この浮気者がぁ!!』

ひなたの刀が大きく空を斬ると、沖田の持っていた団子の串が切り落とされ地面に落ちた。

「「「…こ、殺される」」」

斎藤が刀でこれ程押される姿を見た事がなかった秋吉は、震えながら何とかしなければと試行錯誤していた。
下手に助けを呼べば、羅刹化したひなたを抑えられないと隊士達に斬られてしまう。
放置すれば正しく死闘になる。

「そうだ!!」

秋吉は斎藤の前に立ち塞がり、両手を広げた。

「ひなた!止めろ!」
「秋吉…」

助けに入る秋吉に斎藤が感動していると、ひなたの足が弟の顔面に入る。

「…ぐは…」
「あ、秋吉!!」

受け止める間もなく、ひなたはまた斬りかかる。
秋吉はふらふらと起き上がり、屯所の中心で泣きながら叫んだ。

「だ、誰か。助けて下さい!!」

ーガラ…

「うるせーなぁ。こりゃ何の騒ぎだよ」
「さ、左之さん!!」

ーガン!

頭をガシガシと掻きながら、寝ぼけ眼の原田は秋吉をいきなりげんこで殴る。

「俺は夕べ巡査だったって言ってんだろうが!やっと寝たとこなんだよ」
「すんません…。生まれてすんません!」


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