9★昔の女【斎×主】 
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三人が立ち上がり罪を着せ合うと、ひなたは置いてあった酒瓶を一気飲みする。

「ひなた!!」

秋吉が慌てて取り上げるが既に残り少なく、斎藤に青ざめた顔で見せた。

「…ひなた?大丈夫か?」

斎藤が恐る恐る近付き手を伸ばすと、俯いていたひなたが立ち上がった。

ーブン!!!

「ひなた!?」
『殺す!!!』
「「「ー!?!?」」」

目にも止まらぬ速さで抜刀した白髪の鬼女は、赤い目をして低く構え殺気を放っていた。

「ひなた待て!!」
『問答無用ー!!!』

ーギィン!!

斎藤も咄嗟に刀を引き抜き受けると、ひなたは間髪入れずに斬りかかる。

「ーくっ!!止めろ!ひなた!」
『があっ!!』

斎藤は刀を返して当たらないように構えるが、ひなたはお構いなく襲いかかる。
ふと気が付くと沖田と秋吉は縁側に戻り、二人の斬り合いを見届けている。
斎藤は刀を強く弾くと、一瞬の隙を付いて沖田を引っ張り出した。

「ちょ、ちょっと!!」

ーギィン!

沖田にまで斬りかかるひなたの目は完全に座っていた。

「僕を巻き込むのはやめてくれないかな」

刀を構えると斎藤が無言で睨み、沖田は溜め息を尽きながら刀を返した。

「斬っても死なないでしょ」
「駄目だ」

斎藤と沖田が並んで低く構えると、ひなたは牙を見せ唸り声を上げた。

『どけーー!!』
「はい」
「待て待て、どこに行く」
「あの目は殺す気だよ、頑張って」
「待て総司!!ーくっ!」

あっさり刀を収めた沖田は縁側に腰掛け、団子を頬張り出した。



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