![](http://img.mobilerz.net/sozai/1344_w.gif)
3ページ/5
「ご主人たま♪今日はももちが、美味しいケーキをご用意します♪」
「いらん。…ひなた、明日は予定があるのか?」
「チョコペンでメッセージをお書きしますか?♪」
「黙れ。… ひなた、この前言っていた店に寄るか?」
「では、ももちが絵を書いて見せます♪何がよろしいですか〜?」
「…ガンダム」
『「─ガ、ガンダム!?」』
「お、お任せ下さい!」
強い使命感と共に気合いを入れ、小さなケーキにガンダムを描くももち。
滲むチョコペンで描かれようとしているガンダムはすでに、違う物へと変貌していた。
その間はじめの視線はひなたに注がれ、チェキの使い方を手取り足取り教えていた。
「出来た!ご主人たま!」
完成したガンダムはガンダムに見えなくはないのだが、このクオリティーの評価が欲しかったのかももちの目は輝いている。
はじめは頬杖をつき、無言で苺をフォークで差すと、ガンダムを拭いひなたの口元に差し出した。
「ん、」
微笑したその優しい目に目眩がする。
吸い込まれるように口を開けると、苺を食べさせてくれた。
「…いい子だ」
笑顔があまりに眩しくて、“惚れてまうやろー!!”と叫ぶ魂を必死につなぎ止めた。
─これは隊務だ!!
消えたガンダムにももちの絶叫が聞こえたが、はじめは更に侵略を進める。
最早そこにガンダムはいない。
小さくケーキを切り、またひなたに差し出すが慌てて首を振り返した。
『ご、ご主人たまが召し上がって下さい』
「…俺はお前のものだ」
サラッと言ってのけるはじめに驚き、酔っているのではと飲み物を確認する。
─水だ…
「ご主人たま〜♪」
ももちが腕にしがみつき甘え出すと、はじめが苛立ちを抑えられなくなる。
その手に何か紙を握らせられたのだ。
ひなたの目の前で開くと携帯の番号だった。
←戻る|目次|次へ→
today 5