「こらー!『アッシュ』何してんの?もうじき出番なんだから、さっさと戻って来い!」
「あ、はい。それじゃあ僕は戻らないといけないからこれで。またどこかで会ったらよろしくね。」
「ああ!待ってよ敦さん!オレも行くオレも行く!」
そうして『敦さん』は、また別の誰かから『アッシュ』と呼ばれた途端、返事をその人に返して1人先にこの場を去る。 それと共に慌てたナギという男の子も一緒に戻って行くのだが、
「んじゃ次に会う日は二度と訪れないと思うから、今日をもって永遠にさようなら『にしの あずさ』。」
よっぽどアズに覚えられてなかったのが悔しかったのか。 最後の最後にそんな言葉を吐き捨てて、敦さんと一緒に帰って行った。
「・・・・・・・・・。」
ぶつかったのも一瞬。 お話をしたのも一瞬。 でもその一瞬は、あまりにも色んな出来事がありすぎて、アズはポーッと呆けながら去って行く2人の背中を見送る。 『ナギ』に『敦さん(アッシュ?)』は、いったい何者だったのだろうか。
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