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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.17 大人たちの危ない話(前編)(2/3)
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酒豪まひるん

「兄貴はともかくとして。・・・陸地さん、すごくよく飲むんですね。」

「真昼でいいですよ、真島さん。」

やっと志摩が最初の中ジョッキが半分以下になった頃には、すでに真昼は5杯目を空けていた。
ビールに飽きたのか、途中でカクテルに路線変更。
やっと少しペースが落ち着いたが、おかわり回数が止まらない。止まってない。

「お酒大好きですから♪あと飲み放題ならたくさん飲まないと損ですし。」

「逆に飲み放題じゃないと会計が悲惨なことになるの、この子の場合。」

「・・・ってことで、ジントニックおかわりで。」

自分がそこまで飲めない上、強くもないことは仕方がないこと。
なのに酒の強い年下を目の前で見て、意味のない敗北感を抱かされた。



真昼からの質問

「そういえば真島さん。どうしてこの事務所に入社したんですか?」

「え・・・。」

真昼から志摩へ。
6杯目を空けて7杯目のおかわりを待っている間、気になっていたことを尋ねる。

「ほら。もっとメジャーな事務所もあるわけじゃないですか。なのにどうしてかなって思いまして。」

「え、え、えぇー・・っと。」

答えづらい。凄く答えづらい上司からの苦渋な質問。

「・・・兄貴が『いいところ』だって紹介してくれて、それでその、影響もろ受けたと言うか。」

「徹夜先輩効果・・・ですか。」

兄から棚ぼただったとか。
アズにホイホイ釣られたとか。
そんな理由、口が裂けても言えやしない。
その事実を全て知る徹夜は、必死に笑いを耐え体を震わせ黙っていた。



志摩からの質問

今度は志摩から真昼へ。
若鶏の唐揚げをつまみながら、なんとなくで尋ねる。

「真昼さんは恋人とかいるんですか?」

「あ、バカ!」

それはさっきの仕返し?
楽しい宴の空気がガラリと変わり、ピシッと一気に冷めてしまう。

「真島さん。そういう質問、あんまり気軽にしないほうが身のためですよ?いくら無礼講の範囲でも僕が社長でしたら翌日、辞令を突き付けるかもしれないので。」

「・・・すみませんでした。」

持ってたカクテルグラスをドンッとテーブルに強く置いた真昼。
顔は笑顔なのに、志摩をグドグドと強くお説教。
でもおかげで分かった答え。

(彼女いないんだ。)



ぶつぶつぶつぶつぶつぶつ

とりあえず悪くなった空気を戻そうとする徹夜。

「まあまあ志摩も悪気あって言ったわけじゃないんだし。あ、8杯目いこうか?まひるん。」

「テキーラベースのでお願いします。なんでもいいので。」

「志摩はグレープフルーツのでいい?」

「あ、ああ。・・・ごめん。」

合計、三つ分のおかわりを注文。
けれど一度入った真昼のスイッチは、そう簡単に戻らない。

「大体、出来るわけないじゃないですか。こんなスケジュールで。僕だって欲しいですよ、彼女の一人や二人ぐらい。」

「二人も彼女いちゃダメだからね?まひるん。」

空いたカクテルグラスでテーブルをガンガン叩きながら、いつまでもぶつぶつと。志摩の質問を引きずっていた。

「あ。分かってると思うけど、志摩はこれでラストにしておきなよ。」

「心配されなくても分かってるから。」

届いたグレープフルーツのサワーを手渡しながら、徹夜はそう志摩に忠告。
もちろん近くにいた真昼の耳にも、それは聞こえていたせいか。

「は?」

また彼のスイッチがオン。



酔っ払いたち

「まだ真島さん二杯目じゃないですか。まだまだいけますって。もっと飲まないとダメですよ?飲み放題なのに勿体ないですって。」

「あ、いや、コイツこれ以上は飲めないというか、飲ませられないというか。飲み放題の元なら三人分まひるんが飲んでくれてるから大丈夫だよ。」

「はァ?徹夜先輩にしては珍しいぐらい過保護ですね?そんなんじゃ弟さん一人前に育てられないですよ。」

先輩上司相手にも構わず、グドグドとお説教が始まった。

「だいたいジョッキ10に契約1取ってこられれば安いもんじゃないですか。それぐらい余裕でできるようにならないと、この先つらいですよ。」

「それ、僕も平気じゃないから。僕でもキツイからね、それ。」

グドグドグドグド続くまひるんお説教。

「枕で営業するより全然いいじゃないですか。男だって下手したら脅されて騙されてアウトなんですよ?それと比べたら全然、健全じゃないですか!」

「まひるんの発言のが色々アウトだよ!!!」

これも酔いが回ってる効果なのか。
危ないことを口走り、まさかの徹夜まで焦らすことに。



酔っ払いたち 2

「・・・と、いうことで。真島さん、これ飲んでください。」

何が『・・・と、いうことで』か分からないが、真昼は自分が持っていたグラスを志摩の口に押し付ける。

「あ、いや、ダメだって!!」

「んんんーーーーッ!?」

「あああ・・・。」

ろくに呼吸をすることも許されず、堪えれなかった志摩は真昼のお酒を飲まされてしまう。
アルコール度数の高いテキーラベースのカクテルを・・・。

「はぁい、よくできました♪」

「・・・あああ。」

「こっちのグレープフルーツのサワージュースは僕が飲むので、次はキールいってみましょうか?これも美味しいんですよ。」

お酒の強要は立派なパワハラにアルハラです。
いい上司の方も、そうじゃない上司の方も絶対に止めましょう。訴えられますよ?



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