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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.15 志摩とエヴァの二人の話(2/3)
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ココアか珈琲か

「ああ。俺ばかり食べててごめん。しかも兄貴の奴、エヴァにお茶も出してないのか。すぐ淹れるね。」

「あ、いえ。お構いなく。」

「いいからいいから。待ってて。」

さて、そう言って給湯室のキッチンに来たものの。
エヴァには何の飲み物がいいんだろう?
無難にお茶を選んでもいいのだが、エーチの時はココアを出したからな〜。

(うーん・・・。)

エーチがココアなら、エヴァは珈琲?
二人とも同い年なのにエヴァのが大人っぽいから、そういうイメージ沸くよね。
そう思いながら俺は珈琲をチョイスする。



珈琲を選択

「・・・・・・。」

出された珈琲をジッと見つめていたエヴァ。

「ん、あれ?お茶のがよかった?」

「あ、いえ、すみません。大丈夫です。・・・・・・多分。」

(ん?今、小さく呟かれて聞き取れなかったけど最後なんか言ってた?)

お砂糖二つにミルク多め。
ティースプーンでクルクルクルクルよくかき混ぜる。

「・・・イタダキマス。」

そして覚悟を決めたかのように、その珈琲を口に運んだ。



誤った選択肢

けどそれが誤った選択だったことを知ったのは、その後の話。
それから一緒にレッスンスタジオに向かい、いつものように稽古をしていた。
けど途中でエヴァが具合を悪くして早退。
そして次の日の今日、体調不良で学校を休んでしまったようだ。
俺が飲ませた珈琲が原因で・・・。

「あー・・・、どうしよう・・・ッ。」

「まぁ仕方ないって。ちゃんと断らなかったエヴァも悪いんだからさ。志摩さんがそう気を落とすことなんてないんじゃない?」

夕方、事務所に戻ると偶然居合わせたアリカにも、その話が耳に入っていたようで宥められる。

(仲良くなるどころか、バッチリ嫌がらせしてどうするんだよ!!)



アリカからの情報

「せめてお詫びに行かないと。あ、でも俺、エヴァの住所知らないしな。」

「それ。今は止めといた方がいいよ。エヴァに気ィつかわせまくってくるだけだから。」

「・・・え?」

アリカの口から出るエヴァ情報。
すでにお見舞いに行った後のようで、色々と聞かされる。
でもやたら詳しいと思ったのは、俺がエヴァのことを知らなすぎるだけ?

「だいたいエヴァは前からそういう奴だから。」

「そうなの?」

「あれっだけ注意してやっても簡単に騙されるし、よく押しに負けるし。誰にでも優しいのも問題なんだよなー。そこがアイツのいいところでもあるんだけどさ。」

「うん?」

グドグド、グドグド。
それは悪口のつもりなのだろうか。褒めているつもりなのだろうか。
どちらにしてもエヴァについて、やたら詳しいアリカだった。



アリカからの情報 2

「そういうわけだからさ。また今度、近いうちにエヴァんち教えるからさ。だから今日はこのまま休まさせてやって。」

「うん。・・・分かったよ。アリカがそこまで言うなら。」

(エヴァ、大丈夫かな。)

体調不良と聞いて焦ったが、どうやらエヴァの具合はそこまで悪くないようだ。
その話をアリカから得て、おとなしく引き下がる俺。

「先に言っとくけど。エヴァに変なちょっかい出したら俺が黙ってないから。まだてっさんよりは大丈夫そうだからいいけどさ。」

「うん?」

にしても、さっきから何故だろう?
なんていうか・・・、うん。
アリカはエヴァのこと、すごく大事にしてるんだなぁ・・・。



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