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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.12 志摩とエーチの二人の話(3/3)
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さっきの言葉はどこへ?

「・・・・・・・・・。」

その様子を自分のデスクから遠目で見ていた徹夜。
アホ毛だけがしょぼんしょぼんのエーチに、彼も黙ったまま傍観できなかったのだろう。

「エーチ。」

「?」

またこっちにやってきて話に参加し、まさかの言葉を口に。

「どうしてもって言うなら、ヒントだけでも教えてあげようか?」

「え!ホント!?」

さっき自分から止めさせたくせに、なんとヒントを提供しようとする。



徹夜の悪巧み

徹夜はいったい何を考えているのだろう。

「本当に後悔しない?」

「しない!」

「本当に、本当?」

「本当に、本当!」

「何があっても約束できる?」

「うん!約束するよ!」

ニッコリとした笑顔が、嫌な予感を抱かせる。

「兄貴!ちょ、何を考え・・・っ。」

そんな徹夜を止めさせようとした志摩。
けれどそれすら計算の上だったのだろう。

「・・・ッ!」

志摩が立ち上がった途端に体をドンッと強く押し、エーチを巻き込んだ。



徹夜からのヒント

徹夜のせいでソファーの上に倒れた二人。

「え・・・?」

エーチの上には志摩が。
志摩の下にはエーチが。

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

徹夜から与えられたヒント。
それを身をもって知るエーチ。



言い訳ばかりの理由

(ヒーッ!!)

徹夜に押されたせいで、エーチを巻き込んでしまった志摩。
自分の腕の中にいるエーチを抱いたまま顔を上げれない。

「あ、いや、その、素面のときはそうじゃないんだ。ただお酒を飲むと暴走してしまうだけでででで。」

口から出るのは言い訳ばかり。

「それ嘘でしょ?この間の暴走、素面だったよね?」

「ぐ・・・。」

「主にアズで良からぬ妄想しちゃってるくせに。」

自分の性癖(?)をこのような形で知られてしまい、エーチの顔が見られない。
あああ、本当にごめんなさい。
心の底から謝るから許して下さい。



否定できないオス喰い狼

顔を上げられない志摩。
エーチをそのままにさせたまま動かない。

(・・・・・・・・・。)

エーチの体温は子供のようにぬくぬく温かい。
それを自分の腕を通して感じる。

「ん・・・っ。」

いつまでも顔を上げずに。
いつまでも離れずに。
いつまでもエーチから退かずにいるのは本当に無意識?

(温かいなぁ、エーチ。)

そう疑いたくなるほど、そのままでいたまま動かなかった。



理解したのかな?

「志摩ちゃん?そろそろ、退い・・・て?重い。」

「ああっ、そうだよね!ごめん!本当にごめん!!」

エーチに重い言われて、ようやく志摩は慌てて退いて彼から離れる。
その時、やっと二人の目が合ったが、

(あ・・・。)

エーチの目が点に。
どうやら徹夜のヒントで、オス喰い狼の意味が分かってしまったのだろう。
すぐ近くにいる志摩を遠い目で見ていた。

「ご、ごめんね。エーチ。」

「・・・うん。」

「本当にごめんなさい、エーチ。」

「・・・うん。」



悲惨な結果

それをずーと見ていた徹夜は他人事のように大笑い。

「どう?エーチ。なんとなくでもわかったでしょ?」

「・・・うん。」

エーチは、ずーと目が点で。
志摩は、ずーと罪悪感に襲われブルーな状態。
それからもずーとずーと気まずい空気が流れた。
そしてそれは勉強にも影響が出てしまう。
目が点のエーチは、教えたばかりの数学の問題に、見事なまでの不正解率をたたき出す。

(うわぁ・・・。)

それはふりだし以下の凄まじく悲惨な結果。

「本当にごめん、エーチ。」

「・・・うん。」

この空気に耐えれなかった志摩は、無事にエーチを事務所から帰す。
その後も罪悪感だけが居残り、やらかさせた徹夜に「クソ兄貴!」と当たったのは言うまでもなかった。



『CRO×QUAR』第12話を
読んでいただきありがとうございます!

今回は主人公とエーチのお話
タイトルを×にしようとしたけど
後のことを考えてやめました

オス喰い狼を教わるシーン
ヒントが答えになってたら、エーチさん
簡単に真島兄弟に捕食され・・・げふんげふん


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