≪ top ≪ main

CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
はじめから読むページから読むしおりから読む


Act.11 やんちゃで小柄な先輩肌の話(2/2)
]  [目次へ]  [

余裕の徹夜

「必死だね、アリカは。」

超が付くほど余裕の徹夜はニッコニコ。
けど対照的にアリカは必死の必死。

「うるせぇ!人間いつだって必死だろ!必死に今を生きてんだよ!!」

真っ赤な顔をしてガミガミと怒りを言葉でぶつけまくり。

「はいはい。言った言った。確かに言おうとしたよー。こっちは誰かさんのせいで弱ってた時だったからね。」

そんな会話で二人の話は賑やかに盛り上がる。



必死のアリカ

「でもアレだよね。」

「ん?」

交差点の赤信号に捕まり、青信号に変わるのを待っている間も、まだまだ話は続き、

「余裕で襲えそうな感じするよね?寝取るのも簡単そうだしさ。」

「!?」

徹夜の口からとんでもない言葉が出る。

「なななな!?マジで止めてくんねぇ!?その手の話!シャレになってないから!アイツ、マジでシャレになってないから!!てか、アンタが一番やらかしそうで怖ぇんだよ!!」

「あっははははー。本当にアリカは必死だね。」

「嬉しそうに笑うなー!少しは否定しろよッッッ!!」

そこでもまだまだ必死なアリカだった。



オモイビト

「ったく。マジでふざけんなよ。」

「はいはい、怒んない怒んない。アリカは分かりやすすぎなんだよ。」

信号がようやく青に変わり、車はまた静かに発進。

「よかったね。僕に理解力あって。」

「そんなんじゃねぇーって。」

「売れてなかったら、とっくの昔に追い出してるところだから。」

「だから、そんなんじゃないって言ってるだろ!!」

どうやらアリカには想い人がいるようだ?
恋愛禁止の事務所なのに今までしていた二人の話も、その手の話題。
だからアリカはずっと必死になっていたのでした。

「しかし肝心の相手が全く気付いてないあたりが、すっごく面白いよね。」

「うっせぇな!余計なお世話・・・ってか、何回も言うがそんなんじゃねぇってば!!」



Alica収録現場

それから徹夜が運転する社用車は収録現場のスタジオへ到着。
そして先日リリースしたばかりで売上上々の新曲を華麗に披露。

『それではAlicaの新曲『蒼月』をお聴き下さい。』

曲のイメージにあった輝かしいステージは、彼の魅力を引き立たす。
こうしてアリカの仕事は日付変更時刻を迎えるころに終えたのだった。



本日の仕事終了

「それじゃあアリカ。今日はここまでしか送って行けれないから、気を付けて帰るんだよ。」

「あいあい。分かってますって。」

「変装も自ら取らないように。」

「はいはい。分かってますってば。」

やっと今日の仕事が全部終わり、ようやく徹夜と解散をしたアリカ。
けど向かう先は自宅ではなく、とある場所のアパート。
疲れているはずの足取りは軽く、機嫌も上々。

「♪」

背後にも気を付けながら、抜け道使って近道使って・・・。
こんな時間なのにそれすら気に構わず、ピンポーンと呼び鈴を鳴らして、中に住む住人を呼び出した。



突撃訪問

「ごめん。悪いけど、今日泊めて♪」

「・・・・・・。」

部屋の中から出てきたのは、なんとエヴァ。
そうアリカが向かった先は、彼が住んでいるアパートだったのだ。

「アリカさん。来るのは構わないのですが、事前に連絡ぐらいいただけませんか?しかもこんな時間に・・・。」

「だからごめんって。終わったのさっきだったし、てっさんに解散された場所が俺ん家よりエヴァん家のが近くてさ。」

「・・・・・・。」

エヴァは今まで寝ていたようで、アリカの突然の訪問に少し不機嫌な様子。



やんちゃで小柄な先輩肌

けど、

「ほら。例のシリーズのストラップ。エヴァこの羊好きだっただろ?」

「・・・・・・。」

「この間、ロケ行ってた時に偶然見つけたんだ。な?これやるから許せって。」

「・・・まぁ、急に来るのはいつものことですしね。でも今お構いできるものお茶菓子ぐらいしかありませんよ。」

好きな物を土産に手渡して、機嫌を直して宿泊させてもらうことに成功。
でも、これは今回が初めてではないお話。
実はエヴァの家に飾られている半数の羊グッズはアリカからのお土産。
その数の分だけ泊りに来ている。


こうしてエヴァの部屋にて、アリカの長い長い一日が終わるのでした。




『CRO×QUAR』第11話を
読んでいただきありがとうございます!

今回はアリカが主役のお話でした。
アリカと徹夜のやりとりは、徹夜と主人公並みに
あまり何も考えずに組み合わせられるので
かなり助かりますし、かなり大好きです
徹夜がいる話は本当に動かしやすい

さて、ここでもアリカのカップリングの話を・・・
彼はいつだって必死です
必死、必死
その必死さを察して頂ければ幸いです


]  [目次へ]  [
しおりを挟む



BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -