ユウの自宅の鍵は、ユウだけが持っている。 それは彼のどこかにあるけど、プライバシーの問題でもあるし、セキュリティーの問題でもあるから、あちこち弄って探すのは抵抗感が否めない。
「ごめんなさい・・・、ユウ。」
でも今回ばかりは致し方ない。 だから真昼は先に謝ってから、手を伸ばすことにした。 何の戸惑いもなく、躊躇いもなく、彼の懐へ。 すると、
「!!」
「・・・・・・・・・。」
スッと忍び込む寸前で真昼の手を、自分の手と重ねて止めたユウ。
「・・・いくらなんでも俺の鍵がある位置まで、把握してるのはどうかと。」
「あ、やっぱり駄目でした?ごめんなさい、頭が勝手に覚えてしまっていたモノでして。」
やっぱりこれはプライバシーの問題でもあるし、セキュリティーの問題でもあるから、と。 そこまで真昼に把握されていたことを、ユウは強く嫌がった。
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