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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.60 Birthday of You (5/6)
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ユウの自宅前で

真昼がユウを潰したせいで、ショーゴさんに強く叱られ、これにて2人の打ち上げは強制終了。
支払い済ませてタクシーを拾い、ユウが1人暮らしをしているマンションへ。

「大丈夫ですか?ユウ。」

「・・・・・・・・・。」

そこで一緒に降りて、真昼に担がれながら、ユウの部屋の真ん前まで到着。
ここからは玄関の鍵を開けないと中に入れない。

「ユウ、家の鍵を・・・。」

「・・・・・・・・・。」

なのにユウは、返事がなく、反応も乏しい。
回した目は落ち着いているが虚ろいでいて、意識をギリギリ保つことだけでも精一杯だった。

「・・・・・・・・・。」

さて、どうしよう?



鍵がある位置

ユウの自宅の鍵は、ユウだけが持っている。
それは彼のどこかにあるけど、プライバシーの問題でもあるし、セキュリティーの問題でもあるから、あちこち弄って探すのは抵抗感が否めない。

「ごめんなさい・・・、ユウ。」

でも今回ばかりは致し方ない。
だから真昼は先に謝ってから、手を伸ばすことにした。
何の戸惑いもなく、躊躇いもなく、彼の懐へ。
すると、

「!!」

「・・・・・・・・・。」

スッと忍び込む寸前で真昼の手を、自分の手と重ねて止めたユウ。

「・・・いくらなんでも俺の鍵がある位置まで、把握してるのはどうかと。」

「あ、やっぱり駄目でした?ごめんなさい、頭が勝手に覚えてしまっていたモノでして。」

やっぱりこれはプライバシーの問題でもあるし、セキュリティーの問題でもあるから、と。
そこまで真昼に把握されていたことを、ユウは強く嫌がった。



誓って下さい 2

こうしてやっと中に入ったユウの自宅。
アクアリウムが趣味である彼の室内は、ずらりと沢山の水槽が並んでいて、とても神秘的な雰囲気を醸し出す。

「相変わらずユウの部屋は、小さな水族館ですね。いつ来ても凄く綺麗ですから、見ていて飽きませんね。」

そして担がれて運ばれたユウは、一旦ソファーに座らせる。
真昼は何度もユウの自宅に上がったことがあるようで、慣れた足でキッチンに向かい、慣れた手で冷蔵庫に入ってるミネラルウォーターとグラスを用意して、ユウの元へと持ってきた。

「大丈夫ですか?吐き気とかあります?」

「・・・平気。なんとか、大丈夫。」

「本当にごめんなさい。僕、自分のことしか見えてなくて、主役であるユウを散々な目に遭わせてしまっていて。」

「別に・・・。まひるんから散々な目に遭うのは、日頃のことだから慣れてるし。」

そこで今日のことを謝って反省して、誓いを示す。
全ては彼の為に、もうこんな真似は今後しないと。

「それにまひるんが迷惑かけていいのも俺らだけだから。そこだけは俺も忘れてないから。」



汗を流す前に

やっと自宅に帰って来れたユウ。
ソファー近くに置いていたリコモンで、ピッピッピッと室温を下げて風を強くする。

「・・・暑い。」

アルコールの影響で火照る体。
一向に引かない汗が、ベタベタして気持ちが悪い。

「一旦、シャワー浴びましょうか?汗流した方が、スッキリしますよ。」

この感じがすごく不快で、一刻も早くなんとかしたかったから。
真昼に誘導されるがまま、ゆっくり浴室まで連れてってもらう。

「・・・・・・・・・。」

けど真昼の付き添いは、どこまで続くのだろう。
脱衣所に入っても、出て行く気配が感じられない。



汗を流す前に 2

なので、ユウから真昼へ。

「まひるん、ここまででいいから。」

「はい?」

「あとは1人で出来るから。」

やんわりと遠回しで、ここから出てけと伝える。
でもこの発言は、遠回しにしすぎているのか。

「何を言っているんですか?今のユウを1人にするなんてできません。万が一でも何かあったら、どうするんですか。」

真昼は責任感を重くさせていて、理解が出来ていないようだ。
だから今度は直接的に、

「一緒にシャワー、俺と浴びるつもりでいるんですか?」

と。
その時だけ言葉遣いを丁寧にさせて、この意図を伝える。



結局、どこまでも

ユウが言いたいことを、おかげで理解出来たのか。
ハッとした表情を見せた真昼。

「そう、ですよね。これ以上は、そうなってしまいますよね。」

でも問いに対して出た答えは、返事も早く、

「そうですね。では、ご同行願いましょうか。」

重くさせた責任感は、譲らない意思に繋げていた。

「・・・マジで?」

「マジもマジも大マジです。万が一でもユウに何かあったら、どうするんですか?それを防ぐのも僕のお仕事でもあるんですよ。」

だからここから出て行くことはなく。
ベタベタな汗を掻いて不快になってるユウをスッキリさせる為、浴室の中まで付き添い、しっかりと汗を流させたのだった。



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