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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.60 Birthday of You (4/6)
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お酒は自分のペースで楽しく

そんな静けさに耐えれなかったのか。
ショーゴさんから会話を生ませてくる。

「いちお今後の為を思って、ユウくんに言っておきたいんだけど。」

「?」

「飲みやすいお酒は、酔いやすいお酒でもあるから。気を付けてね、ユウくん。あとマウントをとりにくるモノでもないから。自分のペースで酔って、お酒を楽しんでね。吐くほど飲む人も確かにいるけど、それはボク、反対派だから。」

「・・・・・・・・・。」

それもさっきのやりとりのことを。
いや、ここに来てから今までのことに対して言っているのか。
真昼がいない隙に、そうユウに忠告をした。

「・・・とは言え、頼まれたモノを適切に作って提供するのが、ボクの仕事だからね。ってことで、はい、チェイサー。ユウくん、ちょっとお水飲んでおこうか。」

「・・・・・・・・・。」

「真昼くんに頑張って合わせようとしちゃ駄目だよ。お酒に関しては特に。キミが彼に敵うわけないんだから。」



唐突な色恋話?

ショーゴさんに渡されたチェイサーは、ただの飲料水。
今のユウを気遣って出してくれたのだが、ユウはそのグラスを見つめたまま口に付けようとしなかった。
そしてまだ続く2人の会話。

「ところでユウくん。唐突なんだけど、真昼くんって付き合ってる子いるの?」

「・・・なんでそれを俺に訊くんですか?」

「いやぁ、だって本人に質問しても教えてくれないからさ。だから真昼くんが帰ってこないうちにって思って。」

「だからなんでそれを俺に訊くんですか?」

でも本当に唐突に始まった話題。
2人に共通する話は真昼関係のことだけだけど、よりにもよって、それを尋ねられる。

「知りたい?単純に気になるからだよ、真昼くんのこと。」

「・・・・・・・・・。」

「いなかったらいない、で。まだボクにもチャンスあるのかなって思って。」

「・・・・・・・・・っ。」

その途端、その一瞬で。
ショーゴさんを見る、ユウの目の色が変わった。



探求心が尽きないショーゴさん

すると、

「・・・ーなんてね。」

「?」

「あっはははー。ユウくん意外と可愛い嫉妬するね〜!いやぁ、いいよいいよ。醜い嫉妬は見れたモンじゃないけど、素直な嫉妬は見ててホントに可愛い。」

そんな反応を見せたユウに、ショーゴさんは大笑い。

「心配しなくても、ボクは弟の同級生として真昼くんを気にして言ったまでで、真昼くん1人を個人的に気になってるとか、そういうのはないから。最後の一言は、ユウくんの反応が見たかっただけだから、冗談だよ。」

「な・・・ッ!?」

「異性愛も同性愛も探求心が尽きないボクだけど、それでも真昼くんはお断りかな。一度でも怒らせたら、いつまで〜もしつこく怒られそうだし。それ以前に弟の同級生ってだけで論外。いくらなんでも弟と気まずい関係になってまで口説きたくないからね。」

ユウは見た目も性格も可愛い要素は皆無と言うほどなのに、ショーゴさんは可愛い可愛いと大絶賛。
いつまでも笑いを堪え切れてなくて、止められずにいた。

「でもこれでボクを、そんな敵意のある冷たい目で見る必要はなくなったでしょ?だからボクとも仲良くしてくれると嬉しいな。せっかく真昼くんの伝手で、ボクらも知り合えたわけなんだから。」

「は、はぁ・・・。」



交えられない会話

そこでやっとトイレから戻ってきた真昼。

「すみません。お待たせ致しました。」

「おかえり真昼くん。随分と遅かったようだけどー・・・?」

「明日は僕、公休日なんですが月末なので念のため、同僚に連絡入れていただけです。ちょっと報告し忘れていたこともあった気がしたので、その確認ついでに。」

「珍しいね。抜かりのない真昼くんが、そんなこと起こすなんて。」

再び3人になって、賑やかになる彼らのカウンター席。
やけに遅かった真昼の言い訳も気になるところだが、真昼も自分が戻ってくるまでの間。ユウとショーゴさんが親しげに話してるところを見ていたのか、2人が気になる様子。

「ショーゴさんもユウと何の話してたんですか?随分と盛り上がっていたようにも見受けられましたが。」

「ふふふ、知りたい?真昼くん。実はユウくんがー・・・「ショーゴさん!?」

でもそれはユウに止められて、さっきの会話はショーゴさんとの2人だけの話となり、そこに真昼を交えて3人の会話になることはなかった。



止められなかった訳

また1人で大笑いするショーゴさん。
よっぽど気に入ったのか、ユウの反応がツボに入って耐えれず、お腹を抱えてまでプルプル震えるほど笑っている。

「あははははッ。真昼くんから聞いてた通り、ユウくんホントにいい子だね。」

「・・・・・・っ。」

ユウもユウで、こんな形でこんな屈辱を味って、すごく複雑そう。
その様子は真昼の目からも珍しかったようだが、あまり面白くないのか、平常を保ちながら好奇心を矛盾にさせる。
だから誰もが止めに入るのが間に合わなかった。

「ー・・・っ。」

ロックグラスを手にしたユウが、今まで飲んだカクテルと同様、このお酒までグッと一気に口へ運んでしまったことを。

「え、ユウ!?」

「待ってユウくん!その飲み方は駄目!!」

気付いて慌てて2人も止めに入ったが、既にグラスは空になってて、完全に遅かった。



お酒は楽しく嗜んで

カミカゼのカクテルは、アルコール度数がとても高いお酒。
そんなモノを一気に飲むのは、とっても危険な行為。
それに冷たいお酒は、いきなり酔いが回るから調子に乗って飲むのも、とっても危険な行為。
ビール1、カクテル3の量でも、慣れてないお酒をこれだけ飲めば、もう十分。

「きゅぅ〜・・・。」

タブーにタブーにタブーが今日1日だけで重なれば、回り過ぎた酔いにユウがバタンキューと、潰れるのも原因がありすぎて無理がない。

「わーッ!ユウくん、しっかりして!!」

「え。僕まだ全然飲んでないのに、もう潰れちゃったんですか!?まだこれからでしたのに。」

「やっぱりユウくんを潰す気で飲ませてたんだね?!初心者になんて嫌がらせするの!!」

下手したら急性アルコール中毒を引き起こし、最悪の果ては命を落とします。

「いくら真昼くんでも、こんなことするなら出禁にするからね!」

「・・・ごめんなさい。」

「謝るならユウくんに謝って!そんな危ない行為。今後、絶対にしないって。彼の為に反省して、彼の為に誓って!」

お酒を飲む時は、最初から最後まで。
楽しく美味しく、タブーに気をつけて、ゆっくり自分のペースで酔って嗜みましょう。



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