もちろん最初は当然、スタッフの中で1番偉い人から。 リライト2人にも、この人が現場監督、責任者だと紹介を受ける。
「あら〜?真昼ちゃん、今日お休みなの?あの子に会えなくて残念だわ〜。真昼ちゃんにお大事に〜って、イブちゃんからもユウちゃんからも伝えておいて。」
けど、なんと言いますか。 髭がめっちゃ濃くてケツアゴで、ムッキムキな筋肉質の体付きでオカマ口調。 名前表記もないモブのくせして、第一印象は凄く強烈。 初対面だけど失礼承知で、アッチ系じゃねえよな?と、思わず警戒してしまう。
「陸地 真昼の代行で来ました真島 志摩と申します。まだ勉強不足で不慣れな面が多く、色々とご不便をおかけ致しますが、ご迷惑にならないよう精一杯努めますので、何卒ご鞭撻よろしくお願い致します。」
「志摩ちゃんね、なるほどなるほど。はい、これがアタシの名刺。あ、いいのよ?そんなに固くならなくても。うちはアットホームな現場だから。リラックス、リラックス〜。」
それを顔に出さないよう名刺交換したが、この緊張までは隠せられなかった志摩。 察されて解そうとしてくれているオカマ口調の監督の笑顔は、とても優しく、言葉通りにアットホーム的な落ち着く空気を作り出す。
「ほ〜ら。あんまり緊張してるとイブちゃんやユウちゃんにまで移っちゃって、いい画が撮れなくなっちゃうわよ。」
「す・・・、すみません。」
・・・かと、思いきや。
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