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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.56 夏休み海旅行のお話(後編)(2/3)
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2日目

2日目の翌日。

「ましクン、大丈夫〜?」

そんなこんなでやっと夜が明けて、朝→昼となり、海辺にいたみんなにスイカ届けて合流したものの。
俺の体調は、過去最悪に。

「足痛ぇし、腰痛ぇし、肩痛ぇし。無理矢理寝たから、すっごい眠いし。カメラ没収されたきりだから、みんなのスイカ割り撮れんわー・・・で、とっても最悪です。」

「あらららら。」

機嫌諸共どよんどよんしており、やっぱ車中泊なんてするもんじゃないと改めて猛反省。
そんな俺の話をパラソル下で聞いてた朝陽さんは、

「えー、でもいいな〜。徹夜先パイと車泊で一晩なんて羨ましいよ。」

「・・・羨ましがる要素、今の話の中で、どこありました?」

と。その後も続けて、凄く羨ましそうにしていた。



トレード条件

そして何を思っているのか。

「なんなら、オレと交換する?ましクンさえ良かったら。」

ホテル泊まりしてる自分と。
車中泊してる俺をトレードしないか?と持ち掛けてくる。
もちろんそれは俺も聞いてビックリ。
思いもしなかった展開。

「え、え!?マジでいいのか!?こっちは狭い車内の中、男2で寝なきゃいけない悪夢のような状況なのに。」

「全然いいよー。その狭い車内で、徹夜先パイと一晩も2人きりでいられるんだもん。」

しかし、やたら『兄貴と2人』を強調している彼。

「徹夜先パイと親で密な体の関係を築けられるチャンスかもしれないし。」

「・・・ちょっと待て、それどういう事だ?それ。」

詳しく問いただせば、それは朝陽さんによる罠のようだった。



みんな仲良く解決方法


「どういう事って、そのまんまの意味だよ。オレ、気になってる人には自分からガンガンいくタイプだから。徹夜先パイとオレが上手くいくよう、ましクンも協力してくれると助かるなー。」

「・・・・・・っ。」

満面な笑顔で、それを言う朝陽さん。
もちろんそんなこと「うん」と、首を縦に振って、頷けれる案件ではない。
何故なら、

「何言ってんだアンタ!朝陽さんは俺と付き合ってる関係でしょうが!よりにもよって何、堂々と兄貴にちょっかいかけようとしてんだー!!」

あんな始まりだった関係な俺らだけど、いくらなんでもそんなこと許してはいけない。

「あ、そうだった。ごめん、ごめん。その設定?忘れてたー☆」

「忘れてたじゃない!しかも設定じゃないから!」

ほんと、朝陽さんは型破りすぎる。
油断も隙も兄貴とは違った意味で、絶対に見せてはいけない相手だ。

「分かった分かった。平和に仲良くってことで、ここは3ピ「怖い単語を平然とぶっちゃけようとするなー!」



朝陽の過去

ただでさえ今は足、腰、肩が痛い上、凄く眠たい状態での全力ツッコミって、こんなに体力使うのな・・・。
朝陽さんのせいで俺はあっという間にゼーゼーと息を切らす。

「そっかー・・・。ましクン、浮気ダメなタイプかー・・・。」

「え?まだその話続く?」

しかし隣にいる元凶は、そんなこと懲りもせず、この話題を続かせてきた。

「・・・そもそも浮気イエスなタイプの人なんて、いるわけないだろ。」

「ここにいるよ。前の職場でオレ、3は余裕でいたから。」

とんでもないカミングアウトを添えて。

「・・・・・・・・・は?」

「いやぁー、オレもその頃は若かったからね〜。」



朝陽の前職話


「って、あれ〜?この話、ましクンに話したことなかったっけ?」

添えるように告げられた朝陽さんの昔話。
語る話は、全部初めて耳に通したことばかり。

「最初はスリルもあって凄く良かったんだけど、3股してたことが全員にバレて、そのあとの処理が色々と面倒で嫌になってね。最終的に会社を辞めると共に引っ越して、2年ぐらいニートして引き篭り、貯金がマズくなってきたから職を探してー・・・。で、今のオレに至るっというわけ。」

「・・・・・・・・・。」

朝陽さんの転職理由、不思議に思っていたが、そういうことだったのか。
そんなあまりにも型破りすぎる過去に唖然してしまい、返す言葉が何も浮かばなかった。

「まあ、オレは浮気は許すタイプだから、されても全然気にしないというか。ましクンも、もし他の誰かと付き合うなら、その時はオレも混ぜてね。3人いや、4人?・・・全員で仲良くしようね!」

「誰がするか!絶対に浮気なんてしてやるもんか!俺は朝陽さんだけを意地でも貫き通してやる!」



被害者はまだ1人


「もしや今も既に、俺以外の人と・・・っ。」

「ううん。今は、ましクンだけだよー。まだ。」

この人を野放しにしてはならない。
朝陽さんの過去を知り、そう心に強く誓えた俺。

「前の職場で仕事にまで思いっきり支障出たから学んだよ。無関係な人にも迷惑かけるから、同じ職場では絶対にしちゃダメだって。」

「・・・・・・・・・。」

朝陽さんとは今、お付き合っている関係。
加害者は俺で、被害者も俺だった始まり。
第2、第3と。他の誰かが、そんな俺のような目に遭わないよう、しっかり責任持たなければ・・・!

「でも徹夜先パイだけは面接された時から、妙に気になってるんだよね〜。だからここは平和に仲良く真島丼でー「だから怖い単語を平然と言うなー!っというか兄貴に、ちょっかいかけようとするなー!!」



人間には人間用で

そう。しっかりした責任を。

「朝陽さん。あまりおいたするようなら心苦しいですが、その首に首輪付けて躾ますからね。」

「首輪・・・。」

もちろんそれは本意ではない。
ちょっとでも己の尻軽い言動を控えて貰いたかったから、脅しのつもりで告げただけ。
けど、

「別にいいけど、やるならちゃんと『人間用の首輪』を用意してからにしてね。誤っても犬用とか猫用とか動物用の首輪を人間につけさせちゃダメだよ。」

と。

「動物用の首輪は人間の肌に合わなくて、かぶれたりしてとっても大変なことになるから。何の為に〇〇用と分けられてるか、ちゃんと理解してね。」

「・・・・・・・・・。」

脅しを脅しに捉えられず、俺には知りえないトリビアを、余裕な表情で披露されて惨敗。
型破りすぎる朝陽さんは、やっぱり一筋の縄ではいかないようだ。



パラソル下で


「ましクンも、そういうこと考えちゃう人なんだねー。」

「なんでそんなに嬉しそうなんですか・・・。」

しかも何がそこまで嬉しかったのか。
俺の発言によって、彼は上機嫌に。

「だってオレとのこと、ちゃんと考えていてくれてたってことでしょ?改めて関心しちゃって。」

うんうんと1人で頷いて、何かを納得する。

「誰かさんは、俺とのこと。直ぐに忘れますけどね。」

「はいはい。その件に関しては、今日も今までもごめんなさいでした。」

そして海辺に差したパラソル下のこんな場所で。
みんな以外にも色んな人達がいて、その誰かの目に見られる恐れすら構わずに。

「・・・これで許してね。」



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