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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.54 夏休み海旅行のお話(前編)(2/3)
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何で遊ぶ?

さて、海に来たからには何をやろう。何で遊ぼう。

「てっちゃんたちがあっちでバナナボート引っ張ってくれるって。」

「おもしろそう!きぃちゃん、いこいこ!」

「ユウ先輩もイブ先輩もサーフィンやるの?」

「Yes!エーチも一緒にどうですか?」

「あっちでボードレンタルしてたから、エーチもやるならまひるんに言って借りてきな。」

「ムリムリムリ!レンタル高いし、そもそも水着からしてムリ!オレもキィちゃんたちとバナナ乗ってくる!」

バナナボートやサーフィンなどなど。
海でしか出来ない遊びを。
海ならではの遊び方で。
引率者の社員が色々と用意していたので、それぞれやりたいモノを選んで遊んで、わちゃわちゃわーわー大いに盛り上がる。
しかしその中、

「って、あれ?エヴァは、皆と行かなくていいの?」

「はい。俺はここでみんなの荷物見てますから。」

「荷物なら俺がここで見てるから。気にしないで遊んどいで。」

「あ、え、えっと大丈夫です、志摩さん。その気になれたら俺もエーチらと合流しますので。」

パラソル下から出てこなくなった男がもう1人。
皆と逸れて手を振っていたエヴァも、ここに残ることにしたようだ。



パラソル下の3人

「志摩さんこそ何してるんですか?」

「兄貴から頼まれた仕事を練習がてらに皆を動画で撮ってるー・・・んだけど。いつ盗撮と間違えられて通報されるかで、すっごいヒヤヒヤしてる。」

「海で撮んなきゃいいじゃん。」

けどパラソル下には彼ならではの仕事?をしてる志摩もいるので、ここにいるのは現在、エヴァとアリカの3人きり。
この状況にハッと気付いた志摩は、なるべく2人。いや1人。いややっぱ2人の邪魔しないよう気を付ける。

「で?何でエヴァは行かねえの?泳げないんだっけ?」

「いえ、違います違います。プールでも海でも泳げますよ。ただー・・・。」

「ただ?」

聞こえてくるエヴァとアリカの会話にハラハラさせられながら。

「日焼けが嫌なので、なるべくここから出たくないだけです。」

「女子か、お前は。」



不機嫌な理由

「日焼け止め塗ったんじゃないのか?」

「出掛ける前に塗ってきましたけど、海に入ったらその都度、塗り直さないといけませんから。アリカさんこそいいんですか?せっかくの海で泳がなくて。」

すると2人の会話から、アリカが不機嫌である1番の原因が。

「来月から映画撮影の仕事入ってて、日焼け絶対NG言われてるから無理。」

「それでこんな暑い中、そんな格好していたんですね。」

「なーのに旅行先、海にしやがってマジでムカつく。」

フッと不貞腐れながら語られた中で、彼にも新しいお仕事。アリカに映画撮影の話がきていたことを初めて教えてもらった。

「あ、じゃあ俺と一緒ですね?アリカさんも日焼けが駄目なのなら。」

「全然違うから。エヴァの嫌と俺の駄目、一緒にすんな。」

そんな中で旅費を寄附させられた挙げ句、自分は全然遊べないなんて、そりゃ機嫌が悪くなってしまうのも無理がないだろう。



彼にとって1番の褒美?

そして疲れたタメ息を吐くアリカ。

「志摩さん。オレ、ホテルに戻るわ。ここいてもやっぱ暑いだけだし。てっさんにそう伝えておいて。」

「え?あー・・・。」

眺めてるだけでは退屈だったようで、そう志摩に伝言を残し、1人先に宿泊先のホテルへと戻ろうとしている。
けどこのままではスポンサーである彼を不機嫌にさせたまま。
いくら志摩でもそれはマズイことだと分かるので、彼のためにアシストを。

「・・・ならエヴァもアリカと一緒に戻る?」

「え。」

「さっきも言ったけど荷物なら俺が見てるから大丈夫だし、泳がないんだったら涼しいところに行ってた方が日陰でいるより安全だよ。熱中症にでもなったりしたら大変だし。」

っというか、エヴァに丸投げ全任せ。

「どうする?エヴァも戻るか?」

「・・・そう、ですね。俺も先戻りますので、エーチたちにそう伝えて下さい。」

アリカと一緒に戻ってくれるよう誘導し、より2人になれる機会を作る。



1人からたくさんに

なにせアリカの想い人は、エヴァだと知ったのだ。
事務所としてよくない話かもしれないが、アリカだって1人の男の子。
そんな彼や彼らを不粋に邪魔するよりも、親展が上手くいく方向で応援していたい志摩。
するとこの様子を見ていたのか。

「Nice!シマチャン。」

「ナイスナイス。アリカ1人じゃ今の絶対出来なかったからね。」

「うわ!?ビックリした。2人ともサーフィンするんじゃなかったの?」

朝陽と共にイブとユウがパラソル下まで戻って、志摩と共に、ホテルへ帰っていく2人を見送りにやってきた。

「えー、大丈夫なの?仲良くやっちゃってたら流石にマズイんじゃない?」

「NO problem!それだけはナイナイデス。」

「ねー。アリちゃんヘタレだから、それだけはない。致せるほどの度胸、アリちゃんにはないから。」

「・・・ふーん?」

が、当人らがいないことをいいことに。ここぞとばかりに言いたい放題な3人。
自分以外にも周囲の人物に把握されまくってたことを知り、軽く同情する志摩だった。



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