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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.52 志摩と朝陽の休日前夜のお話(4/4)
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夜の公園、茂みの奧にて

夜の公園は、やっぱり静かだった。
こんな時間まで蝉の鳴き声が聞こえてくるが、それでも昼と比べれば凄く静か。
志摩と朝陽以外の気配がなくて、さっきまでいたファミレスが賑やかだったせいもあり、2人だけの世界がここに生まれた錯覚がより強く感じさせられる。

「あの、朝陽さん?こんなところまで来て何ですか。あまり奧行くと蚊に刺されるんですけど。」

「んー、でもいちおマナーだから。」

「マナーって?」

そして引かれる手は、このまま。公園の照明が届きにくい茂みの奧まで。

「何の・・・!?」

暗くて視界がよく分からなくなっていた中で、朝陽に口づけられた志摩の唇。
それはいきなりで、突然で、急すぎて。

『気が付けば、俺は朝陽とキスをしていた。』

その例えがあまりにも的確だった。



誤ってる間違い探し

口から感じる朝陽の温もり。
気が付けばの状態で驚いた志摩は、思わず押し退かして自分から彼の口を離させた。
おかげで一瞬で終わったが、それでも1秒より長かった朝陽とのキスの時間。

「な、ななななな、何してんですか!?朝陽さん!!」

「何してって。普通に、ましクンとキスしただけだけど?」

いきなりすぎて、突然すぎて、急すぎて。
ドキドキがバクバクするほど志摩が慌てふためく中、朝陽はけろっとしていた。
その様子は今の志摩と比べると冷静だが、全然いつもと変わらない彼。

「ー・・・オレ、何か間違ったことでもした?」

突然だろうが何だろうが、この状況で誤ってることは何もない。
あるとしたら志摩が咄嗟でも朝陽を拒んだこと。

「シテナイ・・・、デス。」

「だよね♪」

自分との関係を改めて意識させて、再び口づけを。
一瞬よりも、1秒よりも、ずっとずっと長いキスを交わした。



誰よりも熱い夜

そうしてギュッと抱かれる腕の中で囁かれる朝陽の誘い。

「ましクン。このままオレんち・・・、来る?」

ドキドキでバクバクで左胸の奥が痛くて、顔も熱くてクラクラしてる頭でも、簡単に頷いちゃダメだと警告してくる。

「・・・明日は駄目だって言ってたくせに。」

「今夜までならいいよって言ってんの。」

だけど朝陽が、そこを譲ってくれなくて。
こっちが頷くまで離してくれなくて。

「ましクンがいつも見てるドラマって今日でしょ?見逃し放送、オレんちで見れるから来なよ、ね?」

「・・・・・・。」

行ったら行ったでどんな目に遭わされるか。
ここまでくれば、なんとなくじゃなくても察しがつく。

「・・・・・・うん。」

だから見れなかったドラマが、行けば見られる。
そっちで惹かれたことにして。
結局、彼の思惑通りに致した2人の夜は、誰よりも暑い熱帯夜となったのだった。



『CRO×QUAR』第52話を
読んでいただきありがとうございます

喫煙誘導シーン書こうか書かないか
前回(Act37.のとき)悩んで止めた結果、
やっぱり書きたくなって書きました


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