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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.51 次なる1歩への始まりのお話(2/3)
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動画サイトで配信中

「でも僕が志摩に頼みたい仕事は、雑務(それ)じゃないよ。」

SNSと志摩の新しいお仕事。
そこにどんな関連性を齎すのか。

「前にクロスカルテットには、リリースCDはないって言ってた話、覚えてる?」

「あー?費用がどうのこうのって言ってたあの話か。・・・あと💩。」

「ちょっと?今は食事中なんだから、そのワード出さないでくれない?」

「うるせえ!兄貴が何度もそう連呼してたから、そんな風に覚えちゃっただけだ!」

徹夜は自分のスマホをポチポチ操作をしながら、志摩に事を説明。
とある動画サイトのページを開いて、それを志摩に見せてきた。

「確かにクロスカルテットのリリースCDは発売されてないし、費用の関係で暫くは予定立てられない。志摩にもCDある?って訊かれたから、ないってあのとき答えたけど、クロスカルテットの曲が聞きたいっていう意図の質問だったのなら、ちょっと答えが違う。」

「え?」

「クロスカルテットの曲は、ここの動画サイトで配信してるから。ここからならいつでも彼らの曲、聴けるからね。」

「え!?」



聴きたい身と売りたい身の天秤

説明しながら見せてくれたその動画サイト。
『クロスカルテットチャンネル』という名で、ちゃっかりとチャンネル登録もしており、クロスカルテットの持ち曲が2つとも、いつでも誰でもそのサイトから聴けるようになっていた。

「え?え!?これ1曲丸々!?1番だけとか、1部分だけとかじゃないのか!?」

「うん。1曲丸々。まあ曲だけ流れて映像は動かないから、正確に言えば動画じゃないんだけどね。動画サイトに投稿してはいるけど。チャンネル登録したのだってデビューした7月20日、ついこのあいだだし。」

クロスカルテットの曲を聴きたかった身としては、すごく嬉しい情報。
しかしクロスカルテットを売りたい身としては、なんだが雲行きが気になる情報。

「・・・これさ。1曲丸々、無料で聴けたら、いざCD発売されたとき売れなくないか?」

「まあ動画サイトで聴ければいいっていう人は、先ず買わないだろうね。」

何せこの世には、『只より高いモノはない』という諺があるからだ。



ひとつの宣伝方法

「けどこれ最近じゃ珍しくもないよ。」

そんな雲行きを気にする志摩に、徹夜からの説明はまだまだ続く。

「宣伝方法のひとつだからね。星の数だけアイドルグループがいる中で、クロスカルテットはまだまだ無名中の無名アイドルだから、タダでも聴いてくれるだけ嬉しい話だよ。」

「でも収入は、ほぼないんじゃ?」

「そう。そこで志摩に新しい仕事を頼もうって思って。」

だってここからがこの話の本題。
次なる1歩を踏み入れる。

「え?」

「ハイ。これが経費で落とした動画撮影用のカメラ。中古だけど割りと高かくていいヤツだから大事に使いなよ。壊したりしたら志摩くんの給料から差し引くからね。」

「え!?」

手渡されるカメラと共に。



新たなるお仕事の始まり

この話をし出してから、果たして志摩は何回「え!?」と驚いたのだろう。
その数の分だけ驚きの連続で、今も尚、継続中。

「要は彼らを撮影するカメラマンを志摩にお願いしたいわけ。チャンネル、ブログ両方とも。」

「な!?なんでそんな大役が俺なんだよ!」

「仕方ないでしょ?ちゃんとしたカメラマンに依頼したら、その分が赤字になるわけだし。僕だってこれからアリカの方で本格的に忙しくなってくるから。」

「けど!」

「始めに言っただろ?そんな彼らを支えるのが僕らのお仕事。志摩だって立派なチェリーストーンの一員なんだから、志摩もみんなと一緒に頑張って。」

しかしいつまでも驚いてばかりではいられない。
研修の身でありながら、初めてクロスカルテットに関する仕事に加われたのだ。

「まあ最初は拙い動画になっても、後々貴重映像になってくるから。売れ始めた頃に『伝説のはじまり』とかになったら価値も数倍あがるから。始めのうちは気軽に。勉強しながら撮影していって。」

雑用ばかりしていた今までの仕事をチュートリアル。序章と例えれば、これからが第一章の本番。
クロスカルテットを生かすも殺すも志摩の腕次第となり得る。



作者は脱がせましたけどね(汗)

「ちなみに動画の再生数イコール現在の収入源と思ってもらってていいから、ちゃんと彼らが売れるように。ブログ用の写真も上手に撮ってあげなよ。」

「そんなプレッシャーが大いにかかること言うなよ!!」

とは言え、クロスカルテット4人の知名度を上げるには、どういった動画がいいだろう。
徹夜から新しい仕事をもらった上で、さっそくちょっと考えてみた。

「・・・・・・。」

クロスカルテットが売れる方法。
男子高校生4人組が売れる方法。

「どう?さっそく何かいい案、浮かんできた?」

けどその発送は経験不足がモノを言うのか、乏しく。

「・・・・・・『脱ぐ』しか思い浮かばない。」

「お、さすがオス喰い狼。でもそんな動画上げたら1発でBANされてアウトだね。」

新しい仕事と共に、新しい課題ともなった。



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