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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.49 感謝祭ライブの話(後編)(2/4)
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俺の桃源郷

「わー!?志摩ちゃん!?」

「大丈夫?しまちゃん!?」

(あぁぁぁぁ、2人並ぶともっといい!すっごくいい!)

ビクンビクン体を震わすほど悶絶状態に陥った志摩。

(俺の桃源郷は此処にありました!!!)

でも表情はアヒィ〜となってて、すごく幸せそう。
ものすごく幸せそう。
この感謝祭に1番感謝したのは、観客じゃなくて、
きっと彼。
そう例えても過言じゃないだろう。
しかしそのとき、ゴンゴンと足音鳴らして、志摩の元にやってきたアリカ。

「何言ってんだ志摩さん。」

そこで何をモノ申してくるのかと思いきや・・・。



負けじの可愛さアピール

「俺が1番可愛いに決まってんだろ。」

「・・・・・・。」

エーチアズに負けじと彼なりに可愛さアピール。
なのに薄暗く曇った表情の奥は一切笑ってなくて、惹き付け方も2人と比べたら男らしかった。

「え?」

「だろ?志摩さん。俺が1番可愛いだろ?」

「あ、あぁ、あ、アリカ・・・?何言ってんの?いきなり。」

おかげで冷静を取り戻せた志摩だけど、ローアングルから見上げる彼にはなんというか。
『可愛い』よりも『男らしい』よりも、『同情』の言葉が真っ先に浮かび上がった。

「えぇーっと。だ、大丈夫?」

「何が?」

「なんか投げやりになってない?アリカ。」

「んなわけないだろ。」



『アリカが1番可愛い』

「2人と違って、こちとら見えないところまで勝負仕様なんだから。」

「見えないところまでって、え!?」

ちなみにメイド服がピンクなのも、偽乳を盛ってるのも勝負しているのも、メインを勤めるアリカだけ。

「ま、まさか上だけじゃなくて下・・・・・・、も?」

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」

そんな彼、いや彼女。いやいやそんな男の娘に同情するぐらいなら、

「志摩さん。俺が1番可愛いよな?」

「・・・ハイ。アリカガ1番可愛イデス。」

『アリカが1番可愛い』という言葉をくれてやって下さい・・・。



ファンシーに隠れる狂気

(3人が可愛いのは認めるが、そこに至らせたのは兄貴だもんな。兄貴の発想力どうなってんだよ。)

こんなファンシーにも狂気が交えているとしたら。それは間違いなくこの案を瞬時に発したこの男、徹夜の思考だ。

「何?志摩くん、変な顔でこっち見て。」

「兄貴って、もしかして意外と可愛いモノ好き、とか?」

「・・・自分で言うのもアレだけど。それを僕に言ったところで、気持ち悪くなってない?」

「めっちゃ気持ち悪いです。めっちゃキモイです。言ってから後悔したわ。」

けどそれは趣味からきたわけではなく、悪魔でもお仕事上で得た経験から。

「こっち側は、盛り上げたもん勝ちだからね。それが観客と一体になれればなれるほど『お祭り』って感じするでしょ。」

「な、なるほど。」

身長175cm以上の男共を、セクシーに仕上げた真昼の手腕も素晴らしいが。
身長175cm未満の男共を、ここまで可愛く仕上げさせた徹夜の腕もお見事。
どちらも流石、プロデューサーといったところ?



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