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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.5 カリスマ残念エロス王子の話(2/2)
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キィとエヴァ

アズの次に訪れたのはクロスカルテットのメンバー四人目、エヴァこと北宮 枝葉。
今日も同じ学校に通っているエーチとは一緒ではなく、一人で来た模様?

「・・・ッ・・・。」

「どうしたんだ?エヴァ?」

「え、あ、いや・・・。なんでもない・・・っ。」

どうやらここまで走ってきたのだろう。
呼吸は荒く、ゼェゼェと肩で息をし、汗まで流していた。

「んー・・・。」

「ん?キィこそ急にどうした?」

そんなエヴァを見て、深く考え込むキィ。
いったい、どうしたのだろう・・・。



キイとエヴァ 2

キィが黙って考え込んでいたのは、ものの数秒。

「エヴァってずるいよね。」

「は?」

ずりずりずりずりエヴァに近寄っては擦り寄り、

「ずるいよねー、ずるいよねー!ただ汗掻いてちょぉぉっと疲れているだけなのに、そのカッコ良さー!」

「はぁ!?」

「ずるいよねー、ずるいよねー。ちょっとは分けろよ、その成分〜。」

「わっ!?バカ!今くっつくな!!」

必要以上にしつこくエヴァに絡む。
エヴァの爽やかな魅力は、美麗型のキィでも少し羨ましいようだ。



キィとエーチ

アズの次にエヴァときて、直ぐに訪れたのはクロスカルテットのリーダー、エーチこと東森 英一。

「・・・ッ・・・おはよ、キィちゃん。」

「ん?あれ?なんでエッチまで息切れしてんの?」

彼もエヴァと同様、走ってきたのだろう。
ゼェゼェと呼吸が荒く、肩で息をしている。
そしてエヴァをキッと強く睨んで『なんでもない』と悔しそうに返したが、どう見ても何でもなくないだろう。

「って、キィちゃん!今またエッチってオレこと呼ばなかった!?」

「お。気づいた気づいた。」

こうしてキィとエーチの賑やかな二人が揃ったことにより、あっという間に賑やかを超えて煩くなるのでした。



キィとエーチ 2

「エーチだからエーチ!毎回ワザと間違えんなよ!」

「え?エッチ?うわ、卑猥!」

「だからエーチだって言ってんだろ!本当にやめて!オレ、そういうの苦手なんだらさ!!」

賑やか組のキィとエーチ。
二人の声はキーキー響いており、室外まで思いっきり漏れ出す。
賑やか超えて、煩さ超えて、喧しくなっていく。
元気あるのはいいことなのだが、元気ありすぎるのも少々問題がある彼らだった。



何のお仕事?

「はいはい。外まで丸聞こえだから黙ろうね、二人とも。」

「「はい・・・。」」

賑やか、いや騒がしい組の二人を黙らせに、早々とやって来たクロスカルテットのプロデューサー徹夜。
さっそく仕事の話になり、

「じゃあ4人とも今の格好のままでいいから、写真撮影するよー。」

「え?」

事務所にて、何故かそれぞれの学校の制服姿のまま写真撮影が始まった。



黙ってればパーフェクト

写真撮影と言っても、そんなに畏まった内容ではなかった。
事務所の壁を背景にして、一人ずつ徹夜が自前のデジカメで撮影していく。

「ふむ。」

エーチもアズもキィもエヴァも、それぞれがそれぞれの個性を写真に写している。
その時、ふとキィに対して、

(キィちゃんは本当、黙ってればいい仕事するな〜。)

とてもとても失礼なことを心の中で思う徹夜なのであった。



小さな我が儘

こうして今日の仕事はおしまい。
一時間ぐらいで皆と解散し、キィはまた電話一本で迎えに来てもらい、自宅まで寄り道なしで帰っていく。
その時、

(あ・・・。)

事務所近くのコンビニを通り過ぎ、自分の大好物になったコンビニコロッケのことを思い出す。
何せ初めてコロッケを食べたのはつい最近の話。
エーチたちと会ってからの話で、庶民的な一般知識がキィにはほとんどない。
なので買い食いなんてお行儀悪いし、寄り道なんてもってのほか。

(仕方ない、か。)

だから家の人にも遣いの人にも、こればかりは言えない。
こればかりは、ただの我が儘だって気づいていたから・・・。



カリスマ残念エロス王子

それから家に到着し、食卓にて家族とともに夕食を食べる。
そして大きな浴槽の湯船に浸かり、そのあとはまた遣いの人にプロと同等のマッサージをしてもらうのがキィにとっての日常。
やっぱり一日の疲れをとるなら、これが一番。
こうして南浦家の美貌は保てられており、いつまでも美しいままでいられる。

「ねぇ。お姉さんの初体験っていくつのとき?もう破れちゃった?」

(ああ・・・。本当、こんなこと言わなければ凄くカッコイイ王子様なのに・・・!!)

けどオブラードがないセクハラ発言によって台無しに。
お多感なことに興味津々、好奇心旺盛な残念王子キィなのでした。



『CRO×QUAR(クロカル)』の第五話を
読んでいただきありがとうございます!

エーチ→アズと続いて
今回はクロスカルテットのメンバー三人目、キィのお話
キィの魅力は文面だけで表現するには、ちょっと難しい
カッコイイけれど顔が整ってて美麗な男性っていますよね?
キィもそれと同じ型の男の子なのですが、
やはり私の執筆で十分に発揮させられないのが非常に悔しい

さてさてここでも少しキィのカップリングのお話を
キィはエーチ同様、
まだ確定したカップリングは考えてなかったり・・・
残念エロス王子なので興味津々に左にも右にも、
きっと喜んでいってくれることでしょう(笑)


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