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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.42 Eva episode(3)(4/4)
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ラスト1曲前に

真昼が書き換えたのは、クロスカルテットが出演するはずだった場面のみ。
リライトの出番が終われば、アリカがステージに戻ってきて、そのままプログラム通りに事が進んだ。
そして2時間に渡ったアリカのバースデーライブも残りラスト1曲。このまま無事にアンコールまで突っ走る、かと思いきや・・・。

「今日は本当、俺の誕生日に祝いに来てくれてありがとな。」

またもやアリカが予定になかったトークを挟んだ。

「けど本来であれば俺の後輩となるグループがここで発表してデビューするはずだったんだけど、メンバーが1人怪我して間に合わなかったんだ。」

自分のファンに今日のことを「実は・・・」と話す。
しかしこれだけは周りのスタッフも知らされていない展開。



プロデューサも知らない告知

だからここからはある意味、本当のサプライズ。

「俺としても可愛い後輩たちだし、なんとかデビューをステージで飾らせてやりたいからさー。だから・・・。」

ステージ脇にいる徹夜と一瞬だけ視線を合わす。

「シークレットサービスライブ開催決定ー!!!」

そしてアリカファン必見、第4弾目のサプライズ。

「俺のオフィシャルブログに、日時とか詳細載るから。確認して来れそうな人は是非来てくれてよな。」

なんと今月中にもう1回、ライブを行うと大発表した。が、

「徹夜先輩もなんだかんだクロスカルテットの晴れ舞台、用意させてたんですね?」

「知らない知らない。アリカ何のこと言ってんの!?」

「え。」

徹夜も知らなかった話。
アリカに言ったもん勝ちされて、増やされた仕事に顔を青ざめさせた。



辛い× 辛い◎

こうしてアリカのバースデーライブはアンコールも含め無事に幕を閉じる。
それからそのときにあったことをエーチから志摩へ。メールを通じて伝えられた。

「辛かった・・・、です。」

「え!?」

するとそんな中、ボソッとエヴァが胸のうちを明かす。
けどそれは、

「志摩さんが作るカレーって、やっぱり辛いですね。」

「わーっ、ごめん!大丈夫だった?」

「なんとか。人に作ってもらうカレーって久しぶりだったので、辛かったですけど嬉しかったです。」

志摩が作ったカレーのお話。
脱退やライブに関わってる内容ではなかった。

「エヴァの台所って改めて凄いね。調味料はもちろんスパイス類もあんなに揃ってるなんて。」

「お恥ずかしながらほぼ衝動買いで・・・。」

「え。じゃあこのチリペッパーとかハバネロとかの香辛料も?」

「はい。辛いの苦手なので減らすのに苦労してます。」



完治目前で

アリカのバースデーライブがあった7月7日。
その日もエヴァの家にいた志摩は、あの会場には足を運んでいない。
今日が当日だってことお互い気付いているけど、話題にさせることはなかった。
むしろしてはいけない気がして、触れることが出来なかったのだろう。

「だいぶ腫れ引いたね。」

「はい。一時はどうなるかと不安でしたが、包帯も外せるようになってホッとしてます。」

「軽いリハビリとして、ちょっと歩いてみる?あまり無理しない程度に。」

エヴァの捻挫も完治目前。
これならもう大丈夫。余計な心配はもう要らない。
だから医者の指示に従って歩く練習を行った。そのとき、

「ッ!」

「危ないっ!」

足を滑らせたエヴァを庇った志摩。
そのまま共にドサッと床に倒れ込んだ。



187からの

「いっつー・・・。」

「志摩さん大丈夫ですか?ごめんなさい!」

「いや、ヘーキヘーキ。俺よりも足大丈夫だった?変に痛めてない?」

「はい。滑っただけでしたから。」

そして事は大事に至らなかったが、気付いて初めて知るこの状況。

(わ!?)

志摩の上にエヴァがいて。
エヴァの下に志摩がいる。

(187からくる床ドンは、さすがにヤバイ!くるもんくる・・・っ!)

さすがの志摩もこのラッキーに照れが隠せず、つい視線をエヴァから逸らした。

「志摩さんも怪我してたり腫れてきてる場所とかありませんか?」

「腫れ!?ないないない!大丈夫だから、大丈夫!」



エヴァ×志摩?

「あ・・・。」

一方、エヴァも志摩より遅かったがやっと気づいたこの状態。
不本意でワザとじゃないとはいえ、志摩を押し倒したことには変わりない。
だからこのまま静かに退いてくれる。かと思いきや、

「志摩さん、そのままで。」

「えっ!?」

「じっとしていてくださいね。」

退くどころか、退く気配がない。
むしろ挑戦しているのか。
ただでさえ倒されて逃げれないこの近い距離を、あちら側から縮ませてくる。

(わーーーッ!!ちょ、待ってエヴァーーー!!)



燐之助は見た

エヴァにドキドキされる心の準備は出来てないけど、求められれば断れない断らない。
ラッキーからのいきなりな超展開で、アリカと朝陽に向かって色々ごめんなさい!
そんな覚悟を決めた志摩。

「エヴァ・・・っ・・・。」

だったが、

「こんばんわー。枝葉、もう足は大丈夫か?」

「!?」

「・・・え。」

たった今訪れたばかりの金髪高校生、堀北燐之助に、この場を目撃者され事態の雲行きが怪しくなってしまったのでした。



『CRO×QUAR』第42話を
読んでいただきありがとうございます


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