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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.41 Eva episode(2)(2/3)
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羊の縫いぐるみ

ちゃんと綺麗に掃除が行き届いているエヴァの部屋。
爽やかな男子高校生らしい一面もあれば、オトメンの趣味が満載なコーディネートっぷりに、改めて『北宮 枝葉』という1人の男の子を知る。
カラーボックスに積まれた羊の縫いぐるみだってこんなにたくさん。
見覚えのある一番デカイ羊も、そこで大事に飾られていた。

「エヴァの羊、すごい数だね。」

「貰い物も多いんですけど、ほわほわしてて可愛いから気がついたらこんなに。」

「ふわふわじゃなくて、ほわほわ?」

「はい。ふわふわじゃなくて、ほわほわ。触っていただくと分かりますよ。」

「わ、本当だ。すごくほわほわ。いい生地ー・・・じゃない。いい綿使ってるんだね。」

そして羊の縫いぐるみのことになると嬉しそうな表情を見せるエヴァ。

「もしかしてだけどエヴァって、ほわほわしてる物が好き?」

「はいっ、大好きです。」

羊の縫いぐるみのようにほわほわに見えた柔らかい笑顔が、彼にとっての小さな幸せを教えてくれた。



数え方に問題あり 志摩ver

でも数も気になる羊の小さな山。

「これ何匹いるんだろう?数えてもいい?」

「はい。」

なので大中小含めて、数えてみることに。

「羊が1匹。羊が2匹。羊が3匹ぃー・・・。」

しかしその途中、

「・・・Zzz。」

「え、志摩さん!?」

耐えれない急激な睡魔に教われて続行が不可能に。

「わ!?ごめんごめん。何か今、急に眠くなって。」

エヴァの声で直ぐに目が覚めたが、いきなりのことだったので志摩も思わずパニック状態。
縫いぐるみ数えていた最中に寝ちゃうなんて恥ずかしいお話だ。



数え方に問題あり2 志摩ver

「もう1回!もう1回数えさせて!」

なので羊の縫いぐるみカウントに再チャレンジ。
もう一度、最初から数えてみた。

「羊が1匹。羊が2匹。羊が3匹。羊がよんー・・・。」

しかし、

「・・・Zzz。」

「志摩さん!?」

やっぱりその途中で寝てしまい続行が不可能に。
再びエヴァに起こしてもらったが、志摩も失敗に終わってしまった。

「前にエーチたちが来たときも数えてる途中で寝ちゃったんですよね。」

「なるほど。寝付きにくいときとか、ちょうどいいかも。これ。」

ちなみに答えは、アリカから貰ったデカイのも足すと全部で14匹でした。



エヴァには不要物

冷蔵庫に麦茶があると教えてもらったついでに、食器類の位置を覚えるため、キッチンをあちらこちら確認していた志摩。
こっちも綺麗に掃除が届いてる上、ビシッと整頓された棚も見ると勉強になる部分が多かった。

(ひとり暮しの歴だけで言えば、エヴァのが年上だもんな。ためになる〜。)

そのとき、

「ん、あれ?コーヒー???」

1本ずつスティック状に包装されたインスタントコーヒーが置かれていることに気付き、ふと目が止まる。
だってエヴァはコーヒーが全くもって駄目な体質。
それを身に刻むほど覚えたから、何であるんだろう?と疑問をうーんっと抱く。

(エヴァがコーヒー飲むわけないもんな。)



こんなところから

「はい麦茶。グラスはこれであってる?」

「はい。ありがとうございます志摩さん。」

麦茶が入ったボトルも、注いだタンブラーグラスも、シンプルだけど洒落乙感を忘れさせてない物で揃っていた。
こんなところからもエヴァの好みを知る。
そしてさっきのコーヒーのことが気になって仕方がなかったので尋ねてみることに。

「コーヒー?ああ、それはアリカさんのです。」

「え、アリカの?」

「はい。アリカさん、朝はコーヒーないと駄目みたいで、それだけで済ますとき多くて。」

「へぇ・・・。」

「志摩さんも良ければ飲んでいいですよ。匂いだけなら俺も平気なので。」

するとそれはアリカのコーヒーだと教えてもらい、こんなところからも彼が寝泊まりしてる形跡を知ってしまう。



片方だけの一方通行

「アリカって、よくエヴァんちに泊まりに来てるの?前もあのまま泊まってったんだっけ?」

「はい。あの時もそうだったんですが、いつも夜遅い時間に来るので少し困ってます。せめて連絡ぐらい入れてほしくて。」

「えっとー・・・。アリカもアリカでエヴァにドッキリとか?ビックリさせたかったとか?」

「そういうの毎回は要らないです。常識というかマナーというか。そういうの俺んちに来るときでも守って頂きたいです。アリカさんもいい大人なんですから。」

(毎回なんだ。毎回はさすがにマズイよ?アリカ。)

エヴァを語るアリカと。
アリカを語るエヴァ。
互いの温度には差があって、2人の関係性は片っぽだけの一方通行だと察す。

「あ。アリカさんで思い出しました。浴室にある透明の歯ブラシ、あれアリカさんのなので・・・。」

「え、あ、OKOK。あとで自分の持ってくるけど、使わないように気を付けるよ。」



エヴァの口調

こうしてエヴァと2人でいることも今まであんまりなかったから何だか新鮮。
話を1つするだけで、彼のことを1つずつ知っていく。
アズとのことでついついジェラシーになってしまいがちだけど、やっぱりエヴァは凄くいい子で、そんなことを思ってしまう自分を凄く反省した。
けれどそんなエヴァとの会話で1つだけ。
これは出会ったときから、気になっていたことを改めて訊く。

「エヴァって話し方、丁寧だよね。」

エーチたちと話しているときが、きっと普段のエヴァなんだろう。
けれどそれ以外の人たちと話すときは、言葉を丁寧にさせているのだ。

「年が上の人にはタメ口使わないよう。なるべく意識しているんですが勉強不足もあるので、拙くなっていたり間違っていたらごめんなさい。」

「いやいやいや、そんなことないよ。」

それはエヴァの敬う気持ちから発されている口調なんだろうけど、志摩としては何というか。
普段から気をつかわれることがないせいもあって、逆に申し訳なく感じる。

「そんなことはないんだけどー・・・。俺もエーチたちと話してる時のように普通で全然いいよ。俺はそういうの気にならないし、そっちのがエヴァも楽じゃない?」

なのでこちらから。
『タメ口OK』を示したのだが、

「いえ、それはちょっと無理ですね。もう癖みたいなものですから直しようがないです。」

「あ、そうなんだ・・・。」

エヴァ側からNOとアッサリ笑顔で言われてしまう。が、それは気をつかっているわけではないとのことで、ちょっとホッとした。



タメ口で話す唯一の年上

「あれ?でもちょっと待って。」

年上相手にタメ口を使わないようにしているエヴァ。
けどたった1人だけ。
1つの差だけどエヴァより年が上なのに、普段通りに話す相手を思い出す。

「キィちゃんには普通に話してるよね?エヴァ。」

「・・・・・・。」

そう。それはキィのこと。

「それは・・・出会った時から色々とありましたから。」

「え。」

「ごめんなさい。これに関しては当時のことあまり思い出したくないので・・・。あとはキィから聞いてください。」

きっとエヴァが唯一、タメ口で喋る年上は彼のみ。
だけど理由は不明。
キィに訊いてみたほうが判明しそうだけど、エヴァの反応を見る限りでは、あまり良い訳ではなさそうだった。



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