ちゃんと綺麗に掃除が行き届いているエヴァの部屋。 爽やかな男子高校生らしい一面もあれば、オトメンの趣味が満載なコーディネートっぷりに、改めて『北宮 枝葉』という1人の男の子を知る。 カラーボックスに積まれた羊の縫いぐるみだってこんなにたくさん。 見覚えのある一番デカイ羊も、そこで大事に飾られていた。
「エヴァの羊、すごい数だね。」
「貰い物も多いんですけど、ほわほわしてて可愛いから気がついたらこんなに。」
「ふわふわじゃなくて、ほわほわ?」
「はい。ふわふわじゃなくて、ほわほわ。触っていただくと分かりますよ。」
「わ、本当だ。すごくほわほわ。いい生地ー・・・じゃない。いい綿使ってるんだね。」
そして羊の縫いぐるみのことになると嬉しそうな表情を見せるエヴァ。
「もしかしてだけどエヴァって、ほわほわしてる物が好き?」
「はいっ、大好きです。」
羊の縫いぐるみのようにほわほわに見えた柔らかい笑顔が、彼にとっての小さな幸せを教えてくれた。
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