≪ top ≪ main

CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
はじめから読むページから読むしおりから読む


Act.40 Eva episode(1)(3/3)
]  [目次へ]  [

表裏一体の関係

一方、徹夜と志摩の2人はステージの裏方にいた。

「メインは当然アリカでクロスカルテットは悪魔でもオマケ。でも彼らを一番カッコよく輝かすことが、僕らにとっても一番大事な仕事だから。」

アリカのバースデーライブはクロスカルテットにとってデビューを飾るスタートラインだけど、そのラインがスタートなのは志摩にも言えること。
何せ今回のライブで初めて裏側を経験するのだから。

「覚えておいてね。彼らと僕らは表裏一体だってこと。」

「表裏一体・・・。」

だから志摩は、ここで徹夜から教わることを。一字一句のペースでメモしながら頭に刻ませる。

「珍しく真面目なのに兄貴が真面目だと、何故か胡散臭く感じる。」

「志摩くんもどうしてそこで茶化してくるかな?せっかく人が真面目に話してるのに。」



2人きりのチャンス

そんな中だけど、今は徹夜と2人きり。

「色々、準備万端に整えていても当日は何が起きるか分からないから。もし何が起きてもお客さんにはトラブルじゃなくて、ひとつのパフォーマンスとして魅せさせられるように。」

ちょうど5人と距離を置けた今がチャンスと言えばチャンス。このチャンスを逃さないよう、タイミングを見計らう。
徹夜にエヴァの件を訊ねるなら今しかない。

「とりあえずここまでざっと言ったけど、何か質問ある?」

なので話の区切りがいいところで、その話にもっていこうとしたが、

「あのさ。兄貴ってエヴァとー・・・。」

「徹夜さーん!ちょっとこっちに来ていただけますか?」

「ん?はいはい。」

間が悪いところで案内役のスタッフに徹夜が呼ばれてしまった為、結局何も訊くことが出来なかった。

「ごめんね、呼ばれたから行ってくる。会場内をちょっとでも把握していてほしいから、探索しておいて。みんなの所に戻って自由に移動しててもいいから。」

「お、おう。」



喧嘩はしてなかった2人

そうしてアリカたちもここらで自由行動。
行きたい場所や気になる場所を、それぞれに分かれて探索していた。その時、

「エーチ!」

「・・・エヴァ。」

エヴァがエーチに寄り、2人で一緒にいた。

「今朝、リンが言ってたことだけど・・・。」

「え、あ、うん。平気、平気。全然気にしてないから。改めてだけど燐之助って、オレのこと嫌いでしょ?」

「そんなことはないと思うけど。」

けど喧嘩していたような険悪感は雰囲気からもない。
しかし2人の話から『燐之助』の名前が出てくる。

「リンには言っておくから。エーチが気にすること何もないから。」

「・・・うん。」

朝早くに集合する前、3人の間で何かあったのだろうか。



こっそり後を

そんな2人を気にして見ていたアリカ。

「エヴァこそ、大丈夫?・・・無理してたりしてない?」

「・・・・・・。」

「まだ眠いなら顔を洗ってきたら?少しはスッキリするんじゃない。」

「そうだな。ちょっと行ってくる。」

2人が分かれた所で、どちらか片方を。
抜け足差し足忍び足っというほどではないが、こっそりこっそりと。なるべく他の人には気づかれないように。

(いた!)

追った先の階段で、エヴァの姿を見つけた。



アリカとエヴァ

「エヴァ!」

「アリカさん?どうかしましたか。」

階段を降りようとしていたエヴァに追い付き、そのまま声を掛けるアリカ。

「あ、いや・・・。まだ少し眠そうだから大丈夫か?眠いなら先に車戻って寝てた方が。」

「いえ。これぐらいなら平気です。」

「そ、そうか。」

エーチも心配だが、エヴァも様子がおかしいからずっと気になっていた。

「・・・顔色、あんまり良くなってないな。もしかして最近ちゃんと寝れてないのか?」

「・・・・・・。」

「デビューまで、あと少しなんだからさ。ちょっとは元気出せって。」

「・・・・・・っ。」

だから少しでも励ましたくて。
ほんの少しでもいいから元気になってほしくて。
構うアリカの性分が先輩風を吹かす。



アリカとエヴァ 2

「何かあったのなら俺でよければ話聞くから。もちろん無理に話せなんて言わないけど、あんま1人で抱え込むんじゃねえぞ。」

「・・・はい。」

その時、

「アリカさん・・・。」

「うん?」

「・・・・・・。」

「どうした?」

何かを言おうとして躊躇ったエヴァ。

「あ、いえ。俺、やっぱり先に車へ戻ります。なのでエーチたちに伝えていただいてもいいですか?」

「おう。」

いや、躊躇ったように見えただけ?
まだ眠たかったエヴァは、そうアリカに伝言を任す。

「んじゃ、俺は戻るから。またあとでな。」

「はい。・・・エーチたちをよろしくお願いします。」



6月の2週目にて

そうしてアリカも戻ろうとした。
その時、

「ーーー・・・ッ!」

別れたばかりのエヴァから声を上げた音が。
その瞬く間に何かが落ちる音も聞こえ、なんだろう?と振り返った途端、何が起きたのか直ぐに分かった。
だってさっきまでそこにいたはずエヴァがいなくなっていて、

「え?」

気付いた時は、階段の一番下まで転げ落ちて倒れていたから。

「エヴァッ!!」

アリカのバースデーライブの7月7日まで、あとわずかと控えた6月2週目の週末。
志摩が願った願い事は叶うことなく、クロスカルテットのデビューをめぐる危機が訪れたのでした。



『CRO×QUAR』第40話を
読んでいただきありがとうございます

今回よりエヴァメインのお話が始まりました
なのでタイトルもエヴァカラーに
仕様変更しております



]  [目次へ]  [
しおりを挟む



BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -