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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.35 志摩とアリカの二人のお話(5/5)
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アリカが向かった先には

志摩は彼を止めるため、教えてもらった駐車場に車を停めてから、急いであとを追う。

「いた!」

すると幸いなことに迷うことなく、1階の角部屋の前でアリカの姿が直ぐに見つけられた。
もう既に中の住人と話し合っているようだが、それ以上のことはさせられない。

「あ、こっちこっち。」

やっとの思いで追い付いたのだが、アリカは志摩を見てもけろっとしている。
むしろそれごと利用する気でいたようで、

「ほら。今回はお土産もう1個、連れて来てるから 。」

「わ!?」

志摩と中にいた住人ー・・・。

「え、エヴァ!?」

「あれ?志摩さん、何故ここに?」

エヴァとご対面させた。



アリカからのサプライズ?

アリカが真っ直ぐ向かった先の部屋にいたのは、なんとエヴァ。
今日のレッスンぶりなので、お互い会うのは数時間ぶり。
だけど2人してこんなところで会うと思っていなかったため、状況が掴めずにいる。

「エヴァこそ、なんでここにいるの?」

「なんでって、え?だって、ここ俺んち・・・なので。」

「は!?アリカの実家がここのじゃないの!?」

そこで間に入ってきたアリカが人差し指を立てながら、得意気に説明。

「サプライズだよ、サ・プ・ラ・イ・ズ。」

「え、え、え???」

「ほら。前にエヴァが体調崩したとき、志摩さんにそのうちエヴァんち連れてくからって言ってたじゃん。」

はっきりエヴァんちに行くって言うとつまらなさそうだったから、そういうドッキリを仕掛けたのだと暴露した。

(確かに言われてたけどさぁ〜〜〜。)



サプライズでも、それはそれ

しかし、

「アリカさん。前から言っているように来るなら来るで、事前に連絡していただけませんか。」

「いやあ。それじゃあエヴァにも驚いてもらえなかったし。」

「それはそれ、これはこれです。」

「ごめんって。そんなに怒らないで。」

エヴァは少々、不機嫌な様子。
理由がどうであれ、いきなりのアリカ訪問はやっぱりお困りのようだった。

「本当、ごめんなさい。次からは気を付けます。」

「・・・別に怒ってませんが、次からはちゃんと連絡をしてからにして下さいね。駄目な場合もありますから。」



必死なアリカ


「あと、ほら。さっき言ってたコイツやるからさ。好きだったろ?これ。」

必死に謝りながらアリカは、ほわほわモコモコな40cmサイズの羊の縫いぐるみを差し出す。

「え・・・。」

「合宿終わった辺りから、なんか元気なさそうだしさ。これでちょっとはマシになれって。」

「けど。」

「いいから黙って受け取ってくれ!ちょうど誰かが諦めた後で、ワンコイン以内で取れた超ラッキーなヤツだったからさ。な?志摩さん。」

「え?あ、あぁ。うん、そうそう。あんなに簡単に取れただなんて、オレモビックリー。」

けどそのやりとりでさえ必死だった彼。
志摩もつい、その必死の『な?』につられてしまった。

(そんなエピソード、今日のどこにありました!?)



突然でもいつものこと

「ありがとうございます、アリカさんも志摩さんも。いつまでも玄関で立ち話もアレですから中へどうぞ。」

「いや。俺はここでいいよ。突然で色々あったけどエヴァの家、改めて分かって良かったよ。」

エヴァにプレゼントしたあの羊の縫いぐるみ。
どこかで見たことあるって思ってたら、それはエヴァがよく鞄に付けてる羊のストラップと同じデザインの羊だったんだ。
こうしてエヴァの機嫌が緩和されたところで、志摩は明日も仕事のため、ここらでおいとまさせてもらおうとした。が、

「志摩さん、今日はありがとう。俺を送ってくれるの、ここまでで大丈夫だから。」

「大丈夫って、え!?まさかアリカ、泊まっていくの?!」

アリカはエヴァんちに泊まっていく気満々。
それこそいきなりで突然で家主のエヴァに迷惑かけるのでは?

「アリカさんのことなら大丈夫ですよ、志摩さん。いつものことですので。」

「・・・ふーん。」

けれどそんな心配も『いつものこと』で、既に不要な領域。
おかげで自分の中で『もしかして』で散らばっていた複数のピースが、パズルのようにピッタリとひとつにはまっていった。



単刀直入の直撃質問

「それでは志摩さん。お休みなさい。」

「うん。エヴァもおやすみ。また明日のレッスン頑張ってね。」

エヴァと必死なアリカのやりとりを近くで見ていた志摩。
あるひとつの答えが生まれた今。

「アリカちょっいい?」

「え?なに?」

「アリカってさ。」

それを本人に確かめたくて、エヴァを先に部屋へ戻らせてから、尋ねてみることに。

「エヴァのこと好き、だよね?」

「・・・・・・。」

変に遠回しすることなく、単刀直入に直撃した。



志摩も把握したアリカの想い人

エヴァこの場にいないからこそ突けた言葉。

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」

けれどアリカから、イエスもノーも返ってこない。
あらら?無反応?
かと、思いきや。

「あ、そういえば志摩さ「どわーーーッッ!」

「んぐぐっ!?」

「わ!?何やっているんですかアリカさん!」

エヴァが戻ってきた途端、我に返ったのか。
顔を真っ赤に染めたアリカが志摩の口を両手で強引に塞ぎ、それ以上を語らせないようにしてきたのだ。
まるで言葉ではなく態度のほうで『イエス』と答えてきたかのように。

(マジですか、アリカさん。)

アリカの想い人は、エヴァ。
こうして志摩の中でも、それが明確となったアリカと志摩の二人のお話でした。



『CRO×QUAR』第35話を
読んでいただきありがとうございました!

今年はアリカ締めしたかったので、
アリカ回で締めさせていただきました
来年もどうぞ『CRO×QUAR』をよろしくお願いします

(1月の更新は変更通り、1月16日の予定です)


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