「ネクタイとシャツのボタン外すだけでいいから。」
「だけって言われても・・・。」
夜も深まるこんな時間、他に誰もいない社内にて。泥酔してソファーに横たわり、ほぼ無抵抗の兄を脱がす行為。 そんな真っ最中を誰かに見られたりしたら、弁明の余地がないほど勘違いされそうだ。
「・・・・・・。」
「ん?」
「・・・・・・・・・。」
「なんだよ?何か言いたいことでもあんのか?」
それでも志摩は渋々と言われるがまま。 緩んでいたネクタイは解き、シャツのボタンは一番上から順に下まで一個ずつ外していく。
「・・・変な気、起こさないでね。オス喰い狼さん。」
「しーまーせーん。誰が起こすか、バカ。」
こんなときにまで彼の命令は絶対なのか。 結局、従う羽目に合うのでした。
(いつの間にか兄貴の機嫌、多少は直ってる?)
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