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CRO×QUAR
夢の続きを歩き出す彼らの物語
[アイドルグループ仲良しコメディ]


登場人物紹介
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Act.34 ミッドナイトな真島兄弟のお話(3/5)
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徹夜からのご命令

「暑い・・・。」

アルコールの影響で火照て汗ばむ体。

「服。」

「ん?」

「脱がして?」

「はァ!?」

それをどうにかしたかった徹夜は、そう志摩に解決方法を要求。

「自分でやれよ。それぐらい。」

「だってベタベタしてて気持ち悪い・・・。」



徹夜×志摩?志摩×徹夜?

「ネクタイとシャツのボタン外すだけでいいから。」

「だけって言われても・・・。」

夜も深まるこんな時間、他に誰もいない社内にて。泥酔してソファーに横たわり、ほぼ無抵抗の兄を脱がす行為。
そんな真っ最中を誰かに見られたりしたら、弁明の余地がないほど勘違いされそうだ。

「・・・・・・。」

「ん?」

「・・・・・・・・・。」

「なんだよ?何か言いたいことでもあんのか?」

それでも志摩は渋々と言われるがまま。
緩んでいたネクタイは解き、シャツのボタンは一番上から順に下まで一個ずつ外していく。

「・・・変な気、起こさないでね。オス喰い狼さん。」

「しーまーせーん。誰が起こすか、バカ。」

こんなときにまで彼の命令は絶対なのか。
結局、従う羽目に合うのでした。

(いつの間にか兄貴の機嫌、多少は直ってる?)



飲みすぎは翌朝地獄行き

「あー、うん。ちょっとは涼しい・・・。」

「気が済んだら戻せよ。腹壊しても知らねえぞ。ただでさえ飲みすぎてんだから朝、地獄みるぞ。」

「それは大丈夫。もう覚悟済みだから。」

やっと少し落ち着いたところで、志摩もソファーに腰を掛ける。

(今、何時だろ?)

そこで壁掛け時計を見て、現在時刻を確認。
あそこで徹夜に捕まってなければ、自宅に帰れてる頃だろうか。
けれど今はまだ全然帰れる気配すらなく、疲れも重なっているせいか、ため息が思わず出てしまう。

(明日も出勤だしな〜。)

あとどれくらいで徹夜から解放されるのだろう。



徹夜から

その時、

「志摩。」

「ん?」

「あと、任せてい?」

「は?何を?」

呼ばれて振り向いた途端、横になってたはずの徹夜が体を起こし、こちらに寄ってきていた。
そして志摩の肩にもたれ掛かるように、ズンと頭を乗せてくる。

「・・・え?」

巻き込まれる形となった志摩は、いきなりの突然で訳が分からず、ポカンと唖然してしまう。



志摩に

いわゆる肩ズンされたわけですが。
え?え?え???
なに、これ?
なんですか、これ?
あとって何?
何を任かれたの?
唖然から我に返ったら、瞬く間にパニックへ。

(徹夜×志摩だけはお断りぃ!!!)

その気になったのは弟ではなく兄だった。
なーんてパターンのオチになってたりしてない?!

「ちょちょちょ!ちょいちょい!ちょっと離れて。重いから離れて!」

それが嫌なら流されないうちにお早めに。
断固に拒否して自分から離れさせようとした。
すると、

「すー・・・、すー・・・。」

肩にいる徹夜方向から、心地よさそうな寝息が静かに聞こえた。



兄の寝顔

(え?寝た?これ、寝た???)

唖然からパニクり、そしてまた唖然に戻ってきた展開。
徹夜は志摩の焦りなどガン無視で、勝手に肩を借りてそこで寝てしまう。

「・・・・・・・・・。」

兄の寝顔を見るには、何年ぶり?
少なくても会っていなかった4年間は見ることなんて出来なかったし、実家に住んでた頃も見た記憶があまりない。
そのせいもあってか。
数分間。いや、数秒間だけ見入った志摩だった。

(はッ!・・・いけないいけない。)



消去法で選択

タクシーもしくは代行寄越して、自宅まで送り届けてあげたいところ。だけど徹夜の自宅に行ったのも、4年前に引っ越しを手伝わされた時のみ。
今となっては住所すら覚えていられず、忘れてしまった。

(そういう場合は実家が一番だけど、あまり帰りたそうにしないんだよな。兄貴のやつ・・・。)

もちろん志摩の自宅に泊めてあげるという手もあるのだが、新居がさっそく酒臭くなるはちょっと嫌。かなり嫌。
っというより迂闊に動かしてゲロられても嫌なので、下手に運べない。

「・・・はぁ。」

なので残された手段は一つのみ。
帰宅を諦めた志摩はこのままのまま、疲れも限界。眠気も限界なので、彼も会社で寝泊ることにした。



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