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仮面優等生の歪いた愛欲

この瞬間だけでも、俺を愛して・・・。
完結][既婚者教師×仮面優等生(主人公)][略奪愛]


EP.1「付き合っていただけませんか?」(5/6)
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神崎先生にまで、こんな症状にさせてしまったのは間違いなく俺だ。
だから俺は責任を取ろうと、支えられていた体を預け、神崎先生の背に腕を回す。

「ごめんなさい、神崎先生。」

「錦、くん?」

「俺・・・、最後までちゃんと。・・・ちゃんと最後まで責任取ります、から。だからー・・。」

続けて言葉にして、必要以上に迫る。
そんな俺は何を先走ったのか。

「神崎・・・せんせ・・・っ・・・。」

もう、どうにもならないような声色で。

「え。」

彼の耳元で。

「俺を・・・、俺を犯して。神崎先生・・・。」

とんでもない言葉を囁いた。

「・・・ッ!!」

全ての物事は、たった一瞬で何もかもが決まる。
神崎先生も、その一瞬で理性のネジが弾けたのか。
乱暴に後ろの壁へ俺を押し付け、そのままこの口を塞ぐ。

「んん・・・っ!」

いつも優しくて温和な神崎先生。
そんなイメージが壊されていく。
未知で未経験な学生の俺に、大人の男という証を思い知らされたのだ。
深く。
熱く。
切なく。
激しく。
優しさなんて感じる暇などなかった・・・。
それでも俺は神崎先生にしがみついてまで、何度も何度でも受け入れたのだった。






ーーー・・。






あんな始終があったのだ。
当然、翌日は体が重くしんどく、あれだけの時間が経ったというのに。
まだ神崎先生の感覚が離れない。
体育の授業だって見学。
他の授業にも集中力が途切れ、いろんな人に大丈夫?と心配された。
生憎、今日は数学の授業がないため、神崎先生と顔を合わすことはなかった。
けれどその日の放課後。

「錦くん!」

「!」

神崎先生は大勢いる生徒の中から、俺だけを探して見つけ出す。

「神崎、先生・・・。」

「会えてよかった。錦くん、ちょっといいですか?」

「え・・・。」

そしてまた人の通りが少ない場所へ。
誰にも聞かれないようにと、今度こそ数学準備室へと俺を連れ出した。

「な、なんですか?神崎先生。」

昨日の今日だ。
またこんな静かな教室で二人きりになれば、昨日のことを思い出して意識してしまう。
俺も神崎先生もそれが顔色に出ていて、互いに目を合わせようとしなかった。

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

沈黙と緊張がシーンッと続く時間。
この間を何とかしなければ・・・。
そう思い自ら先に出たが、

「あの・・・っ。」 「あ・・・。」

妙なところで気が合い、二人とも同時に話してしまう。
だから俺は神崎先生に先を譲った。

「か、神崎先生。先にどうぞ。」

「あ、うん。」

昨日の今日のことだ。
神崎先生に何を言われるのか、だいたい想像がつく。
それでも彼の言葉で聞きたいから、それを待った。

「・・・・・・。」

しかし神崎先生は何を躊躇っているのだろう?
言葉を喉の奥から出せずに、慎重に選んでいる。

「先生?」

「・・・!」

そんな彼に助け船を。
神崎先生を呼ぶと、ようやく二人の目が合う。
それでやっと覚悟が決まったのか。

「・・・あんな行為をしておきながら、とても身勝手なことだと分かってます。それでもそれを承知で言わせて下さい。」



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