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青ノ葉 恋文乱

一通の手紙から始まった4月最初の出来事
完結][青ノ葉外伝][恋愛]


EP.2 待ち合わす渡り廊下にて(6/6)
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無限シャンプーの悪戯なんて、やられた側はたまったもんじゃないんだぞ!
クソ!クソ!クソ!空も空もだ!
俺があんな話をしていた最中、ずっと陸哉の悪戯に笑ってて止めなかったってことだもんな。
手は出してないようだが、それだけでも十分共犯者。
けど何がそんなに面白かったのか。

「あははははっ。あは・・・っ・・・あは、あははははっ!」

「そんなに笑う?」

空が笑いのツボにハマり、お腹抑えて笑いっぱなし。
失礼にもほどがあるほど笑いっぱ。
しかし主犯の陸哉は、

「やっぱり鳴は、つくづくバカだな。」

「な・・・!?」

そう言って、俺に『ごめんなさい』をしないで先に寮へと帰って行った。
笑いっぱの空とは違い、バーカと俺を酷く睨み付けて・・・。

(なんだったんだ?今の陸哉。)

「鳴。着替えた?ちゃんと体拭いた?」

「へ?あぁ、うん・・・。空も笑い落ち着いたのか?」

「うん、なんとか。じゃあ僕らも寮に帰ろうか。」

なんだろう?
やらかされた側なのに、何かやらかしてしまったのだろうか。

「空はいいのか?浴びてかなくて。」

「僕はいいよ。タオル1枚しか持ってきてなかったし。」

「ご、ごめん。俺が空のタオルを借りたばかりに。」

「気にしないで。僕も浸かれるうちは寮のお風呂に入っておきたいし。」

俺は何も悪いことはしてない。していないはずなのに、胸に引っ掛かるこの罪悪感はいったい何?
どこからやって来て、何に対して思っているの?
それすら分からない俺は、陸哉の言うとおりバカだからなのだろうか。

「鳴。・・・ごめんね。」

「あ?あー、別にいいって。無限シャンプーのことはもう怒ってないから。悪いのは全部陸哉だったし。」

そんなことを思いながらシャワー室を後にし、空と寮へと帰り、そのあとも結局いつもと一緒。いつもどおりの時間を過ごした。
それはあまりにも平穏で、ラブレターを貰った事実が掠れてしまいそうになるほど。




つづく






青ノ葉 恋文乱 第2話を
お読みいただきありがとうございます

第1話が思いのほか短かったので
第2話はちょっと長めにしました
あそこで切らないと区切りよくなかったですし、
陸哉のキャラも1話の頃はあまり定まって
いなかったので登場を延期させて
改めて2話目で出したら大安定
すっぽりハマって陸哉も大好きになりました


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