そんな時間を時計で見て今寝るのを諦めた司は、このまま起きてることにしたようだ。
「ほいヒロ。これヒロさんの。」
「は?」
そして持ってきた自分の鞄から携帯用のゲーム機を二つ取り出し、一つ比路に渡す。
「はァ!?ちょ・・・っと、これ僕の!?いつ入れた!?」
「昨日の夜。ヒロすけが風呂に行った隙に。」
「なんで持ってきてるの!?」
「持ってきちゃダメだって書かれてなかったから。」
「ダメだから書かれてなかったんでしょ!持ってきちゃダメだよ!!」
確か入学案内書にはゲーム機や遊戯物を持ってきてはダメなんて書かれてはいなかった。 けれど持ってきていいとも、もちろん書かれていない。 それでもこれは校則違反になってしまうのではないか。
「大丈夫だって大丈夫。最悪、バレなきゃいいんだから。」
「本当に大丈夫かなー・・・。没収されたくないんだけど。」
比路がそんな不安を覚える一方、そんな不安を微塵も抱かず、へっちゃらそうな司だった。
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