寮即違反、校則違反した違反者に対して、それからも厳しい罰が待っていた。 久野に連行された比路と朋也が寮に帰ってくるとさっそく、
「痛っ!」
寮の玄関で待ち構えていた日暮寮長のゲンコツが、容赦なくゴッと頭に落ちてきた。
「グーだったことを有難く思え。」
「グー以外のゲンコツなんてあるか!!」
もちろんそれも平等。 二人以外に先に帰った犬飼や矢口、桃地などの不良生徒も同じ目にあっており、皆落とされた頭に手を当てて痛みを抑えていた。
「こんなこと言うのもアレですけど。蓮さんって本当に気にしないですよね、そういうの。世間じゃ体罰とか何かと色々ニュースで問題になってるのに。」
「俺のゲンコツを体罰なんかと一緒にすんな。っつーわけで克也もゲンコツな。」
「は?え!?待って!蓮さん、俺は今朝ちゃんと届け出渡しましたよね!?」
「お前はいっつも帰りがギリギリ過ぎる。もう少し早く帰ってこい。」
それは久野でさえ恐れていることなのか。 彼にもゲンコツを落とされそうになり、何とか説得して回避出来てすごくホッとしていた。
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