今この場に比路も梅ちゃんもいない。 それをいいことに稚空は制服の内側に隠し支えていた一冊の小説を取り出し、司に見せつけてきたのだ。
「ふふふー。約束通り持ってきたよ学プリの小説本。つかポンのお気にってこの人であってるんだよね?」
「!?!?!?」
念のために色んなことを考慮し、表裏背表紙の扉絵が見えないようにと厚い紙質のブックカバーをして隠している。 が、そんな話を教室内で堂々と怖いもの知らずでオープンにし始めた彼ら。
「ちょッ!?アッキー、まさかそれって!?」
「この間、実家に帰ったとき一緒に借りてきたんだ〜。全年齢ではなかったシーンもきちんと最後まで執筆されてるよん。」
司と稚空に二人から50歩100歩の腐った男臭が漂う。
「本当に持ってきたんだ・・・。」
「もちろん読むでしょ?つかポン。」
「だからつかポンおやめなさい。」
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