部活動歓迎会という今年度一番最初の行事を終え、各部活動場所から学生寮へ生徒たちが帰って行く。
「お疲れ、克也。オレたち先、寮に帰ってるな〜。」
「はい。お疲れ様です。」
そんな中、生徒会室にて一人居残るこの男。名は久野 克也。 彼は青ノ葉学園の生徒会の一人であり、二年生でありながら生徒会副会長をお務め中。 そして所属してる部活の柔道部と生徒会の仕事を現在進行形で掛け持っており、
「結局、今日も間に合わなかった・・・か。」
生徒会側を最優先にさせているため、今日みたいな日は特に自分の部活動への取り組みを疎かにさせてしまう。
「・・・・・・。」
そこに何かしらの不満を抱える久野。 レポートを書き進めていた手を止めて、クルクルと器用に指先でペンを回しながら、深くて思いを留めた息を吐く。
「・・・何やってんだが、俺は。」
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