4月の入学式から始まった一学期。 5月最後の週に差し掛かれば、今はちょうど折り返し地点。 けど日差しは既に夏のように暑く、上級生はもちろん。一年生も上着のブレザーを着ないで過ごしたり着崩したりする生徒が増えてきた。 そんな最中のことだった。 午後の授業が始まると共に、1年B組ではロングホームルームがはじまりはじまり。 担任の本田先生が意気揚々と凄く嬉しそうな顔をして、大・大・大発表!
「はぁーい!今日のロングホームルームは席替えします!」
こんな時期は席替え時期でもあるのか、本田先生は手作りクジ引きボックスをドーンッと教卓の上に置いた。
「それじゃあみんな。前に来て順番に引きに来て下さい。先生は待ってる間、黒板に番号を振り分けておきます。みんな引き終わったら合図と共に引いた番号通りの席へ移動して下さいね。」
それは普段の授業では見られないほど、わくわくテカテカしており、教員の彼もまだ若さというのを忘れてない様子だった。
「本田先生って、やっぱりクジ引き好きだよね。」
「だな。引く俺ら以上にワクワクしてない?」
「いいですか。他のクラスは授業中なので移動は静かにお願いします。煩くさせちゃ、めッですよ。」
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