小ネタ | ナノ

フェイタンネタ第二です。


わたしは彼が好きだ。大好きだ。愛していると言ってもいい。いっそ盲目的に、宗教的に、気が狂うほどに。だがこれはただの片思い。彼はわたしのことなんて好きじゃないし、愛してもいない。自分で言うのも悲しくなるし認めたくないがきっと嫌われていると思う。
彼が拷問をしている時はとっても不愉快。その時の彼には拷問をする相手しか眼中にないから。そんな奴見ないでわたしを見てよ。わたしを見てくれるなら拷問だって、どんなに痛くても耐えて見せるから。――なんてことを考えてしまうようになってはもう末期だ。

ある時、彼が拷問中に言っていたことがある。「痛いのは生きている証拠ね」と。だからわたしは必死に念を覚え、能力を高め、難しい制約をつけて不死となった。そうすれば便利だからとわたしを拷問するでしょう? そうしたらわたしを見てくれるでしょう?
だが、念というのは不思議なもので、不死の体を得ると同時に痛覚を失った。斬られても殴られても蹴られても抉られても、全く痛みを感じない。痛みを感じないから殺傷されてもよく分からないんだ。ただ、眠くなるだけ。
試しに首を刎ねてみた。目が覚めたらいつの間にか元通りで、斬られた傷跡は残らないが首まわりと服には血がべっとりと付着していた。患部が結合したのか、生えてきたのか。

そして目が覚めたらまたわたしは無傷の状態になって生き返る。
そうしてまた彼に愛してもらえるよう努力するんだ。名前を呼んでもらえるようにわたしは彼の名をしつこいくらいに呼ぶんだ。いつか彼もわたしを愛してくれる日が来ると信じて。
だからこの恋が不毛だなんて思わないし、鬱陶しがられて彼に殺されても嬉しいくらい。だってわたしは不死だから。
だから、ねえ、

わたしを あい し て、
―――――
実は結構前から考えていたネタ。拉致られると同列に考えてました。ようやく文にできたので上げました。のに。フェイタンが全く出てこないなんて…!

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