ドルチェ | ナノ

沖…じゃない、総悟がここへサボりに来ることがきっかけに、あの人も常連さんになりつつある。いつもタバコを吸って瞳孔が開いているあの人。
総悟はというと毎日のように顔を出し団子を頬張っている。

「琥珀おごってくだせーよ」
「、はぁ!? 何言ってんですか」
「毎日来てやってんだろーが」

恩着せがましいな!
確かにいつも来てくれてるけど、これは横暴だ。

「チンピラ警察二十四時が」

聞こえないよう小さな声で言ったつもりがある男の耳には入ったようで。

「悪かったなチンピラ警察で」
「!?」

突然背後から声がして振り返ると瞳孔が開いている黒髪が立っていた。腕を組み煙草を吸っている。鬼の副長、だっけ。

「宮本、いつも総悟が悪ぃな」

鬼の副長、土方さんも有名人だ。色んな噂を聞いた。鬼だの瞳孔だのマヨネーズだのイケメンだの。ちなみに、彼にも名乗った覚えはない。

「オラ、仕事に戻れ」

総悟の首根っこを掴みズルズルと引きずるように連れていく。
土方さんは足を止め振り返った。

「次は客として来てやるから」

そう言うとフッと笑って去って行った。
来てくれるのは嬉しいけど…宣言する必要なくね?

「…あ、お金…」

結局、わたしのおごりという事に。泣く泣く財布を開いた。

「#学園」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -