短編 | ナノ

快晴の空に庭に咲いている桜の花弁がハラハラと舞っていた。今日は絶好のお昼寝日和。午後からは非番となっていて、面倒な書類整理は沖田じゃあるまいし全て片してある。縁側に足を投げ出して日向ぼっこをしていると昼食を食べたばかりという事もあってかすぐに睡魔におそわれた。遠くの方で爆音が聞こえるがシャットダウン。うつらうつらと頭を揺らしていると隣にあった柱にごつんと頭を強打。一瞬だけ目が覚め自分に起こったことを確認。何もないと分かるとまたうつらうつら。していたが、後ろから聞こえた声によって現実に引き戻される。

「こんなことろで寝てたら襲われちまいますぜ」
「…………誰、あ、そーご?」

目を擦りながら話しかけてきた人物を見上げる。なるほどさっきの爆音はコイツのせいだったのか、バズーカを肩に担いでいる。「だいじょーぶだよお」と回らない呂律を回し再び眠りにつくと、ごとりとバズーカが床に置かれた。自然な動きで総悟が隣に腰をおろしポケットから愛用の赤いアイマスクを取り出しつける。

「そうご?」
「俺もここで寝やす」
「…んー…」

目を閉じてまた微睡んだ。沖田はふと感じた肩への重みにアイマスクを上げ視線を斜め下に下げてみるとみょうじが沖田に寄り掛かって寝ていた。思わず息をのむ。少しぎこちない動きになりながらもみょうじが楽なように膝を貸してやる。
ドタドタと騒がしい足音が近づいてくる。「総悟ォォォォ!」なんて叫びと一緒に。
廊下を曲がって走ってきたのは黒く焦げた土方。刀を抜いて随分とご立腹だ。沖田は土方を見ると人差し指を立てて唇へと持っていく。

「しぃ」
「しぃじゃねーよ! この…」

沖田をよく見てみるとその膝の上には眠るみょうじ。さっきまでの勢いは消え、みょうじの寝顔で怒る気も失せた。ちっと舌打ちをして刀を収め仕事に戻って行った。眉間に酔った皺は少しだけ浅くなっていた。
沖田は欠伸を一つこぼしアイマスクをつけ眠りに落ちた。

お昼寝
(たまには平和な休日を)

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ふいに書きたくなったお昼寝の話です。ヒロインが空気な気がします。桜とか季節感思いっ切り無視ってしまいました。

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