「どこ行くの? ねえどこに行くの? 何しに行くの? いつ帰ってくるの? 俺がいるのにお前はどこかに行ってしまうんだね。許さないよ、そんなの。俺もついてくから」
とか言ってしつこくついてくる及川さん。放っておいたら女子トイレまで入ってこようとしました。通報した方がいい
「昨日寝言で俺の名前呼んでたよ」
「え、嘘、恥ずかし」
「本当。何々? 俺の夢でも見てたの?」
「何で知って、…及川さん?」
「なあに?」
「何で、わたしの寝言、知ってるんですか?冗談ですよね?」
「何でって、そんなの」
お前の部屋に盗聴器仕掛けたからに決まってるでしょ。
「みぃつけた。なあに? 俺から逃げ切れるとでも思ったのぉ? 細くてちっちゃくて華奢なお前が、俺から、逃げられるとでも思ったのぉ? 馬鹿だねえ」
後ろから追ってくる彼は誰だろう。大事で大好きな、及川君? なに、何が起きてるの。やめて。あ、やだ、いやだ、腕を、捕ま、れ、