ついったログ | ナノ
好きな子に話しかける口実として、教科書を見せて、はよくある。そこから仲良くなれば良かったのに、ね。影山君てば、本当に不器用。例えば紙で指を切ってしまうことってあるでしょう?そしたら血が出てしまって、絆創膏は持ってません。さて、どうしたものか。隣の席の大好きなあの子が心配しているよ


「影山君大丈夫? わたし絆創膏持ってるよ」

そう言って君は男が使うには気恥ずかしいキャラクターものの絆創膏を指に貼ってくれた。なんということでしょう、話しかける口実をずっと考えていたのに、こんなに簡単にあの子から話しかけてくれたではありませんか。これは使える。単細胞なりに、考えました


カッターで指を少し、切る。痛いけど、あの子が話しかけてくれるなら安い。我慢できるよ。ほら、気付いてくれた。

「影山君!? 血出てるよ!」
「…て、手当、してくれませんか」

声が上ずったのを感じながらも頼むと、また絆創膏を貼ってくれる。嬉しい。この子は俺が怪我をしたら話しかけてくれる


「影山、どうしたんだよ。最近傷だらけじゃねーか」
「そっすか?」
「いっつも手だけは怪我しないようにーって感じだったのに」

指に貼られた沢山の絆創膏。それだけ痛かったけれどあの子が心配してくれた数でもある。俺にとっては大切な傷。できることなら一生跡が残ってほしい。…そうだ、


もっと大きな怪我をしたら、あの子はきっと俺だけを見て俺だけを心配してくれる。沢山話しかけてくれる。それなら痛くても、耐えられる、よな?平気、だよな?でも、部活に支障の出ない程度に、難しい。血がいっぱい出たら、派手だし、大きな傷に見える。

さて、影山君は次はどこを切るでしょう?


だらだらと腕を伝う血が床に落ちないように押さえて、あの子に話しかける。ねえ、俺、こんなに怪我してるよ。手当してよ。いつもみたいに。なのに彼女は目を見開いて俺を教室から連れ出した。どこに行くんだ?傷を洗うのか?絆創膏だけじゃ手当できなかったか?


連れて行かれたのは保健室。…なんで。なんでなんでなんで。君が手当してくれるんじゃ、ないの?渋々先生の手当を受けて手首に巻かれた包帯を見る。君が巻いてくれたものじゃない。そんなの、いらない。ほら、君も泣きそうな顔をしてる。そんなに俺の手当、したかったのかな?だったら、なんで


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