「ねえ何してるの?」
「なんだと思う?」
「分かんないや。そのノコギリ何に使うの?」
「知らなくていいこともあるんだよ」
「知らなくていいこと?」
「うん。このノコギリの使い方、とかね」
「…ねぇ。一体、なにをしている、の」
「教えてあーげない」
「ねぇ、何でそのノコギリ、そんなに、赤いの」
誰かと誰かの小さな会話。バラバラにしたのは、バラバラにされたのは、いったい誰なんでしょう。ただ、一つ。ノコギリを持っているのはあなただけではないのです。
「及川君は本当に女の子にだらしなくて、わたし困ってたの。どうしたらわたしを見てくれるのかなって。でも及川君は誰か一人を贔屓したりしない人だから、及川君がいっぱいいたらいいのになって思ったりしてさ。一夫多妻? それも手ね。及川君をバラバラにしたら及川君がたくさんいるってことじゃない」
「お前をバラバラにしたらお前がいっぱいいるってことになって、それって素敵なことだと思わない?」
ノコギリ持った及川さん。でもバラバラにしたら内臓とか体液とかぐちゃぐちゃ綺麗なお前を綺麗に取って置きたかったのに。汚くて放っておけば腐ってくるどうしよう綺麗にしないと汚い嫌だ綺麗綺麗に、