ついったログ | ナノ
前に言ってたプラスでも何でもない付喪神パロをなんとか成仏させてやりたくて、影山君って一人っ子っぽいし両親共働きで家に一人でいる時間長そうってこじつけた妄想したらこんなんでてきた


お外は暗くなってもう遊べない。家に帰っても一人でつまんないなぁ。お母さんもお父さんも遅くなるって言ってたなぁ。一人で食べる晩御飯。寂しくないの?うん、へいきだよ。もうなれたもん。寂しく、ないよ。へいきだよ。小学校に上がる前くらいの頃の影山君。ひとりぼっちで遊んでいました


気の毒に思った両親が寂しくないようにと買い与えたのがぬいぐるみ。抱き抱えるのにちょうどいい大きさの可愛らしいくまさん。良かったね、今日からこの子がお友達よ。これで寂しくないね。ひとりぼっちじゃないね。それから影山君は何をするのもくまと一緒。くまがいないと不安になるの。眠れないの。


外に遊びに行くにも一緒。寝るのも一緒。お買い物も一緒。くまがいるだけで安心できる。ライナスの毛布。ずっと一緒にいようね、なんて、ぬいぐるみ相手に幼い影山君は約束したんです。でも所詮は玩具。動きもしないし喋りもしない。成長だってしない。影山君は小学生になりました。でもくまにべったり


これではいけないと思ったのが影山君のお父さん。男なら男らしくあってほしいと願い、バレーボールを買い与えました。そうしたら、影山君はすっかりバレーの虜。毎晩くまを枕元に置いて眠っていたのに、あれれ今ではボールを置いてる。くまはどうしたの? お父さんに持っていかれたよ。どこに? どこに?


持ち主は帰ってこないのに、それでもただひたすら待っているのです。捨てられたことを知らずに。こんなに哀れなことはありません。いいえ。本当は自分が捨てられているなんて、とっくに知っているんです。だってあなたはもう子供じゃないもんね。だってぬいぐるみのわたしはもう必要ないもん、ね?
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