ついったログ | ナノ
前だけ向いて歩いていた。後ろなんか顧みずに歩き続けた。ふと立ち止まって、初めて振り返ってみたんだ。そしたら、皆で歩いていたはずなのに、いつのまにか独りぼっち。足跡は自分のしかなくて。途端に真っ暗になった。進むべき道だけは見えていたのに。あの子はついてきてくれると、思って、


でも居なかった。ついてきてくれなかった。俺は彼女にも見限られたのか。寂しい淋しい悲しい。独りは、嫌だ。真っ暗な場所に立ち止まりしゃがみこむ。だって前が見えないんだ。進む方向が分からないんだ。なあ、なんでお前、居ないの?真っ暗じゃ、何も、見えないよ


踞って、どのくらい。そんなの知らない。でもきっと、随分長いことそうしていたと思う。不意に聞こえたんだ、どたどたと荒っぽく地面を叩く音。顔をあげると、あれ、だって、そんなわけない。あの子は、彼女はもう居ないはずなのに。なんで? まるで俺を追いかけて来たみたいに


なに、もしかして追いかけて来てまで文句を言うほど俺のこと嫌いになったのか。でももしそうじゃなかったら。やめて、期待させないで。そんなに必死に走ってこないで、そんなことされたら、俺に追い付くために走ってるように見えてしまうよ
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