ついったログ | ナノ
人形に夢中な日向君は毎日髪を梳かして、綺麗なお洋服を着せて、一緒に寝るの。ずっと側に置いておきたかったの。着せ替えてあげればお人形は恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑ってる気がした。だからおれも嬉しい。一緒は幸せ。一緒は嬉しい。だからこの子はずっとおれのもの


影山がどうしてもおれの人形を見たいと言うから仕方なく家に招いた。言っておくけど、あげないよ?触らせないよ?少し見せるだけだからな!夏に取られないように押し入れに隠した人形を取り出した。壁を支えに座っているこの子を見て影山がまた動揺、顔を歪めて、口を覆った。


「なんで、意味わかんねー、こいつは、だって、見かけないと思ってた」

だって、人形だよ。人形なんだから、動かなくて、当たり前でしょ?

「は…おい、動かないって、なに、」

変な影山。何をそんなに動揺してるんだろう。

「日向、そいつは、」

人形なんかじゃ、


髪を梳かしても着せ替えても笑ってくれない。笑ってくれないと悲しい。なんで、前は喜んで。それどころかどんどん壊れてくる。変な臭いもしてきた。こんなの変だよ、この子はいつも甘くてふわふわしたいい匂いだったのに。なんで。壊れないで。元に戻って。誰かこの子を直して


不器用なりに、日向なりに、大切にしました。大切に大切に大切に大切に大切に大切に大切に大切に大切に大切に。でもねえ、知ってる? その子は人形なんかじゃないんだよ。でも感情はあったんだよ。だってその子、人間だもん。生きてたんだもん。ねえ、動かないって、なに?
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