ついったログ | ナノ
影山君の同級生の彼女は高校卒業と同時に姿を消し女子高生が失踪したとニュースで取り上げられて話題を呼んだ。彼女は見つからないまま三日過ぎ、一週間過ぎ、一ヶ月が過ぎる。さぁて彼女はどこに行ってしまったのか。彼氏は心配で夜も眠れないのでは? 失踪から1年以上、彼女の足取りすらつかめず


卒業後、影山君は家を出て部屋を借りました。そこに彼女と一緒に住むの。彼女って?卒業と同時に失踪したあの子だよ。家事はやってもらうけど外には出なくて良い。買い物は全て俺がやる。欲しい物も何でも買ってくるから。綺麗なもの、美しいもの、好きなものに囲まれてる可愛い彼女。影山君は幸せ


彼女の方も満更じゃない。でもね、ずっと家の中にいると息が詰まる。わたしも外に行きたいなあ買い物したいなあ。影山君が留守の間、こっそり外出しました。買ってくれた可愛い服を着て。久しぶりの街は以前と変わらず賑わってる。数年ぶりに、日向に会った。背が高くなってて格好よくなってたの


わたしから日向に声をかけると、彼はどうしたんだろう。目を見開いてわたしの肩を掴んだ。

「お前、なんで?なんでいるの? 無事だったの? 生きてたの? そうだ、家族に連絡…警察にも、」

けいさつ? どうして? わたし、何か悪いことしたの? 警察なんか行きたくないよ。勝手に外出してごめんなさい


1年以上も前に失踪した女性が見つかったとニュースはその話題で持ちきり。彼女は日向に連れられて警察に行き、家族と再会しました。家族の止まった時間は動きだす。けれど彼女の時間は止まったまま。父と母に抱き締められながらぼんやりと影山君に会いたいと思っていました。それはもう叶わない夢

「だって、あいつが軟禁されてたなんて言いました? 言ってないでしょ? 好きであいつは俺といたんです。これは誘拐、軟禁なんかじゃなくて同居です。同棲です。俺たち付き合ってるんだから。ねえ。何も悪いことなんかないんですよ。綺麗ものに囲まれて俺もあいつも幸せ。それでいいじゃないですか」


可哀想に、彼女は影山君に洗脳されたようです。今日も病室で一人、彼が訪れるのを待っているんです。窓から外を覗いて、ずっと影山君を待っているんです。

「ねえ、看護師さん、影山君来ました?」
「どうかしら、見てないわねえ」
「そう。明日は来てくれるかなあ」

彼とはもう二度会えないというのに。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -